フェンダーなら「レリック」。ギブソンは「エイジド」というネーミングで、新品のギターをまるでビンテージのようなルックスに変貌させてくれます。
これは好き嫌いのある仕様ですが、ちなみに私は好き。
でもぴかぴかも好き。
どっちも好き。ですから選べるなら何の問題もありません。
話を戻すと、このレリック、エイジド加工はどれくらい本物のビンテージっぽいのか、というのを比べてみようと思います。
フェンダーのヘビーレリックと比較
フェンダーのこのギターが、レリック加工されています。
サンバーストの上に白でリフされて、それが経年で剥げてきた設定です。
下地のサンバーストを見せるために、結構大きく剥げさせているので、ちょっとやりすぎ、、、なのですが、クラックの入り方や塗装の剥げ方なんかはなかなかリアル、、、と思っていました。
それとついこないだ手に入れた65年製ジャズマスターを比べてみます。
それではまず全景から。
まあ、これだけだと何とも言えませんが、赤のジャズマスターの赤がちょっとムラになってるような感じは、レリックにはないですね。あとたまたま照明の感じかもしれませんが、やはりストラトのほうは光の反射がぴかぴかしてると言うか、ヤレ感に乏しい、、、かもしれません。
ただ、これだけだとまだ何とも言えませんね。
クラックが入ったところがちょっと盛り上がるような感じもうまくできてます。
金属パーツ、プラスチックパーツも雰囲気出てますね。ネジまでちゃんと錆びている。
うーん、、、やはりなんというか。。。なんでしょうねえ。単純にもっと汚いというか、より複雑に傷ついてるのかな。
上の塗装が剥がれているところ。まあこれだけみると、上手い感じにそれっぽい。ただ今気づきましたが、下地のサンバースト部分はクラック入ってないんだなあ。本物ビンテージのマルチレイヤーだとどうなってるのか気になります。
この写真だと、褪色して赤がオレンジっぽくなってる様子がわかります。画面左の方はかなりオレンジっぽい。
さて、ビンテージのほうは、クラック入ったところに汚れ等が入り込んでるのかなあ。塗装に対してより深くクラックが入ってるような、そんな印象があります。
ギブソンの場合
ギブソンカスタムショップ2013年製。トムマーフィー・エイジドなのが、このJoe Perry 1959 Les Paul。
さて、比べるとどんな感じでしょうか。
まず全景。やはり全体的にジャズマスターのような、全体がヤレてるような質感がないかなあ。
部分部分でみていくと、クラックなんかは丁寧に入っており、いい雰囲気。
打痕まわりの汚れ方なんかもなかなかいい感じです。ぽいです。
うーん、、でもジャズマスが醸し出す「いかにも古いもの感」には至らないなあ。。。よくできてるけど、とはいえ、レスポールの方は本当に古いものにはやっぱり見えない。
フェンダーとギブソンのエイジド・レリック加工について思うこと
完全に私見なので真逆の意見の方もいらっしゃると思います。なんですが、自分の意見としては、
フェンダーの方がレリック上手いと思う。
これは自分のギターだけじゃなくて、楽器屋さんでこれまでみてきた総合の印象です。フェンダーの方が塗装が枯れた感じが出てると思う。
Gibsonはまた、良いエイジド加工と下手なエイジド加工の差が大きいのも感心しない。
一時期のハウスエイジドは、個人的にはまったく気に入らない水準でした。
例えば、塗装のクラックは、作業としてはカッターかなんかで傷つけるらしいのですが、塗装を超えて外周プラスチックのバインディングまで一直線にカッターの傷がついてるのがあります。しかもたくさん。実際にバインディングのところまでクラックがはいるのかどうかについては、確定的なことは言えないのですが、あえて意図的にというよりは、単に雑な作業の結果に見えるんですよね。。。
あと、塗装が剥がれた設定なのに、その下までカッターの傷がついてるケースも一時期散見されました。
これは完全に作業が雑なだけなんですよね。あと検品の精度も低いと言わざるを得ない。こういうわかりやすい失敗はそれこそ打痕でもつけるなり、なんか加工して隠しちゃえばいいのに。
トム・マーフィーの名前がついてると、全体的に精度はあがる印象。クラックのパターンも複雑になるし。
ただトム・マーフィー名義でも気合の入ってるのとそうでもないものはありますね。本人がやってるか弟子がやってるかの差なんでしょうかねえ。ちょっと内情はわからないですが。
さて、細いこと言ってますが、このクラックがバインディングに到達してるとか剥がれた塗装の下にまでついてるというのは、手にとって眺めてると割と目立つのですぐわかるんですよね。。。逆によく見ればそうなってるけど、、、くらいなら気にすることはないと思います。
ちなみに、Joe Perry 1959は当時何本も比較してみたのですが、全体的にエイジドの加工はかなり丁寧な印象です。まあ自分のギターだからと言う欲目があるかもしれませんが、その当時相次いで発表されたCC(コレクターズチョイス)シリーズの中でもJoe Perryシリーズは個体の加工精度のばらつきが少ない印象で、出来がいいなと。
一方で上の記事で紹介した同じエアロスミスのブラッド・ウィットフォードのCCは、2
〜3本見た感じで言うと、あまり良い印象がありません。多分作業を担当した人によるので、全ての個体がダメということはないはずですが。
まあ、、、エイジドの加工精度なんて、楽器としての価値には関係ないので、どうでもいいと言えばどうでもいいのですが。。。でも下手なレリック加工ってほんとやらないほうがいいからなあ。。。特にCCみたいなシリーズは非常に高い精度を保って欲しいもんだと個人的には思います。
さて、話を戻すとフェンダーの方が、なんか塗装のヤレた感じ、すり減った感じがギブソンより上手い気がする。
テレキャスなんか本物のビンテージに混ぜて展示してたら、遠目にはどれがレリックとは言えないかもしれないなあ、なんて思います。
ただ、なんというか、全体的に、、、
やりすぎ感がある。
ギブソンもそうだけど、そんなに塗装剥がれんでしょ、、、という。
もちろんレリックも段階があるんですが、ジャーニーマンレリックのように、比較的ライトなレリックになると、今度は塗装のヤレた感じや金属パーツ類の加工が物足りない気がする。
ヘビーレリックでありながら、塗装剥がしと打痕を控えめにすれば、もっとリアルな感じになって好ましいと思うんだけどなあ。
ビンテージは始めて所有することになったわけで、全然詳しいわけではありません。ですが、友人所有のビンテージは手に取らせてもらってきていますし、ショップでも在庫があれば必ず眺めに行きます。
その感じで言うと、大半のカスタムショップのレリックはやりすぎ、、、な気がします。ビンテージでもそんなにガッツリ塗装剥がれてるのなんてほとんど見たことないです。
・・・もっとも、めちゃくちゃボロボロになってるのもカッコイイですけどね^^ 結局何でもいいんかい、というw
コメント
こんにちは!
遅ればせながらジャズマスターご購入おめでとうございます!
やっぱり本物のビンテージが醸し出す「歴史」と言う時間までは
レリックやエイジドなどでは再現しきれないのでしょうね!
コメントありがとうございます!
おっしゃる通りですね。写真でもだいぶ違いますが、実際に目で見ると、ビンテージの歴史の迫力はすごいものがありますよね^^
やっぱり本物には敵わないんでしょうね。
ギブソンのエイジドはやっつけ仕事な感じがデジマートの画像からでも伝わってくるので、やるならちゃんとして欲しいです。。
次はカスタムショップのギターを買うんですか?笑
やっぱり本物の時間の流れにはまったく敵わないですね^^
ギブソンのエイジドは、いいやつとダメなやつの差がすごい大きい気がしています。。。ダメなやつは本当にやっつけって感じなんですよねえ。。。でもちゃんとしてるのはちゃんとしてるとおもいます^^
いや、カスタムショップの予定はないんですが、2020年は随分前から大物が決定済みでして。。。むしろその大物のために他には何も買わないつもりだったので、ジャズマスターは大きな誤算ですw