最近リバ剣したんだよというと、ある友人から
「剣道って誰が王者なわけ?テニスみたいなランキングとかあるの?」
と聞かれました。
うーん、、、どうだろう。剣道から24年も離れている上、競技レベルの事情はまったく知らない。
少なくともランキングなどはないです。
まあ、剣道日本一といえば、全日本剣道選手権であろう。この大会の優勝者は「その年の日本一」とみなされるとおもいます。
とはいえ、他にも大会はあるし、全日本の覇者が全ての大会で優勝するわけでもない。ボクシング等のように世界王者みたいなのはないわけです。
とはいえ、友人の悪気のない質問に答えようとすると、現在の事情を知らない自分の場合、ぱっと思い浮かぶのは、自分の高校時代、その全日本選手権で、初出場初優勝した上、翌年、前人未到の2連覇を成し遂げた宮崎正裕 選手です。
全日本選手権で1回優勝するだけでも偉大な剣士です。
競争は激しく、その歴史を通じて、2回以上優勝した人ってとても少ない。ましてや連覇は一人もいない(当時)。
その中で、史上初の2連覇をした宮崎選手は、かなり鮮烈に覚えています。
ビデオに撮った試合をみんなで見たりしてたのですが、なんというかいろいろ新しい感じだったのを覚えています。
凄まじいのは、遠い間合いから飛び込む雷光のような鋭い面。
信じられないスピードと伸びです。この動画、途中で黒くなりますが、続きます。黒くなった後の方が面白いので、飛ばしてもいいかもですね。
新しい感じといったのは、思い切りよく飛び込む鋭い面の一方で、体をかがめて崩れるような(という風に当時は見えた)コテとか、あまりよろしくないとされる三所避けとかも割と使う印象があって、全日本レベルの立派な剣士にしては「ちょっと変則的じゃない・・・?」みたいな感想を同期や先輩たちと話していたのです。
しかし強い。いや、強いけどあれはアリなのか?いやでも強い。いや、でも。。。何言ってるんだよ、ものすごい強いよ!
・・・みたいな感じで、なんかざわざわしてましたw
当時インターネットがあれば、世の中的な反応ももっと知れたと思うのですが。ともかく、私の部活内では、強さに対する惜しみない賞賛と、一抹の「あれっていいんだっけ?」みたいなのが混ざり合うような感じでした。
で、高校卒業したから剣道から離れてしまったので、その後のことは存じ上げませんでした。
で、今回、そんな会話があったので、興味持って調べてみたら、、、
宮崎先生はその後も進化を続けて、当代随一の剣豪となられていました。
他分野で例えましょう。私はF1が好きなのでF1でいうと、
宮崎先生 = ミハエル・シューマッハ
です。
つまり、他の追随を許さない圧倒的な戦績です。そのカテゴリにおける革命的な存在。
F1は車が良くないとダメですから、運の要素もありますが、剣道は自分だけが戦うので純粋な実力です。その意味ではもっとすごい。
というか剣道は、なかなか他を圧倒して勝ち続けるということが難しいです。
他の大会は知りませんが、全日本で2回以上優勝した人は少ないそうです。
これまで63年の大会の歴史(2015年まで)を通じて、たった9人。
2回優勝した剣士は、5名。
3回優勝した剣士は、3名。
そして!
宮崎先生は、2度の連覇を含む計6回。
圧倒的です。
しかも、5年間連続決勝進出。
ちょっと長いですがwikiを抜粋します。
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高校卒業後、神奈川県警察に奉職。1990年から2001年まで12年連続で全日本剣道選手権大会に出場し、優勝6回・準優勝2回(内、2連覇2回。1996年から2000年までの5年間、決勝戦に進出し続けた)の偉業を成し遂げた。初優勝の翌年も優勝し、それまで長く続いてきた「全日本剣道選手権は連覇できない」というジンクスを史上初めて打ち崩したことでも有名。宮崎が初出場初優勝を果たした当時の全日本剣道選手権は現在と異なり、段位による出場制限があったため、宮崎は六段を取得するまで出場できなかった。段位制限がなければ優勝回数はさらに伸びたのではないかともいわれる。
この他、世界剣道選手権大会団体優勝4回・個人優勝1回、全国警察剣道選手権大会優勝6回(内、3連覇1回・2連覇1回)・準優勝1回・第三位3回、全国警察剣道大会(団体)優勝2回、国民体育大会剣道競技優勝1回・第三位2回、全日本選抜剣道七段選手権大会優勝5回・準優勝3回など、数々の大会で新記録を樹立し続け、それを塗り替えていった。実績をあげても決しておごらず、常に自然体で臨む姿勢が高く評価された。
全日本剣道選手権大会神奈川県予選には、2001年を最後に参加せず、選手とコーチを兼任していた。2003年10月の全国警察剣道選手権大会での3回戦敗退(対 米屋勇一戦)を最後に現役引退した。
実弟の宮崎史裕も神奈川県警察の剣道家であり、1997年の全日本剣道選手権大会では正裕との兄弟対決を制し優勝した。ライバルは大阪府警察の石田利也。
近況[編集]
2009年、合格率約1%の難関である剣道八段審査に初挑戦で合格した。2010年に自身初の八段戦である寛仁親王杯剣道八段選抜大会で優勝し、2016年には全日本選抜剣道八段優勝大会で優勝した。
現在は神奈川県警察の剣道師範として数々の指導実績をあげている。県警での弟子にあたる正代賢司と高鍋進を全日本剣道選手権大会優勝に導いた。特に高鍋は2010年・2011年、宮崎以来史上2人目となる連覇を達成している。
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2016年にも8段戦で優勝って、、、
もう50代半ば近いはずですが、動画みると、もう強いのなんのってびびります。
もっとも、どうも他のスポーツと違って、武道である剣道において、優勝回数とかそういうのだけで語るのは抵抗があります。
でも知らない人がする「剣道一番強いの誰?宮本武蔵みたいな人いるの?」みたいな質問は悪気のない素朴な疑問ですよね。
というわけで、その質問には、私としては宮崎先生の名前を第一にあげない理由はないですね^^
いやあしかし宮崎先生の試合をYoutubeで見れば見るほどすごい。
鬼強いですね。。。
あの稲妻のごとき面があるからこそ、ほかの技も活きてくるんでしょうねえ。
特にコテは、面返しコテ、とかコテ返しコテとか、、、すごいスピードだし柔軟性というか技術というか、、、おもわず、ええ?!!と声を出しちゃう感じです。
宮崎先生の剣風、特に若いころについてはいろいろネット見ると賛否両論あるようですが、一つ言えるのは、「見ていて楽しい」。
一瞬も気が抜けないし、技が多彩なので。
下は宮崎先生のコテ一本集。上の動画よりこっちの方が面白いかも。
面受けてコテとか、お相手のコテ面のコテ受けておいて、面にくるところコテとか、もうどうなってるんだろうか。スピードもタイミングも意味不明レベルです。。。
しかしそんな偉大な剣豪である宮崎先生。
なんと初段の審査を3回落ちてるそうです。
合格率1%の超難関である8段を一発で合格した宮崎先生が、初段を3回も不合格・・・・?
信じられないですねww
その点だけ、私は宮崎先生に勝ってるw 一発で合格したからw
いろいろ調べると、本当に稽古熱心で研究熱心な方だそうです。
努力に努力を重ねて年齢とともにどんどん強くなっていく。まさに努力が生んだ天才といえる偉大な剣士の一人ですね^^
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