ミックスが良くなった4つのこと【個人的なやつ】

ミックスって難しいです。素材によって処方も違うわけで、いわゆる何にでも適用できるレシピというものが作りにくいですね。

コンプでXXdB叩いて、、EQで300hzあたりをああしてこうして、、、なんて処方箋的な話もでてくるのですが、そんなの実際は素材次第なわけです。

音量のバランスもこれでいいかと思っても、ちょっとこっちが大きい、じゃあこっちを下げてとかやってるうちに全体のバランスが悪くなってやり直し、、、なんてこともありました。プラグイン挿しすぎてわけわからなくなり、結局外すなんてこともよくありましたw

そんな感じなんですが、最近、いくつかレシピ、型、ワークフローとでもいうのでしょうか。この半年くらいで自分なりにわかってきたところがあり、以前に比べるとミックスが良くなったんじゃないかと(勝手に)思っています。

以下に述べる手法自体はごく当たり前で珍しいものはないと思いますが、いろんな情報を取捨選択して、特に自分として大きく効果があったと思うことを書いておきたいと思います。

ミックスのいろんなツール、EQやコンプなどなど、それぞれの使い方そのものはわかってるけど、なんとなく行き当たりばったりだなあ、とかうまく噛み合ってる感じがしないと感じてる方がいれば、一回ぜひ試してみてください。

もっとも自分自身、ミックスについて語れるレベルじゃないので、一読一聴してなんだこの程度の話か、、、となったらスルーしてください^^

ビフォー・アフター

2016年ごろに曲らしきものを作ってミックスしてるのがあったので、リンクと動画貼ってみます。2017年から2020年は特になんもやってなかったので題材としてつかえるのが思い浮かばない^^;

ともかく本記事で書こうとしてるノウハウを知らない状態のサンプル2つあげます。

【ビフォー】スカスカでギスギスしてる

苦情ネギPV

お好み焼きのネギの曲で、曲自体は自分では結構気に入ってるのですが、久しぶりに聴いたらミックスは相当難あり。ミックスは、、、というかギターの演奏も含めて全部、、、かもしれませんが、とりあえずここはミックスがテーマの記事なのでミックスに集中。

これ、当時すごい時間かけてがんばってあれこれ調整してましたが、今聴いてみると低域の厚みがないし、ギターの音もなんかギスギスしてるし、一体感みたいなものも希薄。

それに無理に音圧あげようとマキシマイザー突っ込んでるのでポンピングっぽい感じ?ところどころ妙に圧縮が強い印象を受けた。当時はわからんかったけど。見出し通りでスカスカ・ギスギスしてる印象。

【ビフォー】詰め込みすぎて飽和感、もっさり

ウェディング曲

これも2016年。当時組んでたバンドのボーカル女子の結婚式のために作った曲。生ボーカルを録音するというのが初めてでした。まあ、子供とか姪っ子のカエルの歌くらいの録音はありますけども。

これも頑張った記憶はめっちゃありますし、自分だけにわかる工夫の跡はあるんですが、久しぶりに聞き返すと全部の音が鳴って互いにマスクしてかき消されてる部分が多い。あと、なんか、、、全部近い。狭い。なんか息苦しいですね。

これもマキシマイザー無理くり突っ込んでますね。。。

最近(1週間以内)のミックス

上の動画は2016年くらいのものですが、多分半年前くらいまでほぼ同じ感じで進歩なかったと思います。ところがこの半年、、、いや、数ヶ月で自分としてはだいぶ変わったと思います。

そのサンプルですが、深夜の2時間DTMに投稿したのが最新なのでそれを貼ります。本記事の数日前の制作です。

誤解ないようにしたいのですが、別にこれが上手いミックスだと言うつもりは毛頭ないです。ただ、少なくとも最初の2曲よりは全然良くなってると思うのですが、どうでしょうか。

空間が広く感じるし、音量感はたいして変わらないけどそこまで無理な感じもしないというか。

費やしている時間は、まるっきり違います。ビフォーの2つは一晩おいてまた調整して、また一晩おいて調整して、、、を1〜2週間ずっとやってたのに対して、最近のは30分〜1時間くらいです。

自分的に効果のあった考え方や方法論

私のレベルは上の動画くらいなので、「ふ。雑魚めww」となったら引き返していただければ^^

さて、いよいよ本題に入ります。どうしたら良くなったかという方法論について。

その1「良い音にする処理」と「ミックスのための処理」の分離

これは「方法」というより考え方なのですが、自分の場合、ここ最近のミックスの向上(当社比)は、まずここが整理されたことから始まっています。

「良い音にする」というよりは、「狙ってる音に近づける」がより正確ですかね。

例えばギターを録音します。

弾いてる時は良い音のつもりだったのですが、録音したのを聴いてみると、うーんちょっと微妙に暗い?とかちょっとハイがきついかな?というのはあります。こういうのをEQで微妙に補正することってありますよね。

イメージの違いが大きい場合は、そもそものギターの音作りに戻るべきです。まず自分のイメージの音で録音することが大前提で、後からなんとかする前提というのはハマる原因だと思います。

また、良く録れてはいるもののもっと良くならないかな、もっと迫力でないかな、、という理由でEQを試してみる場合も多いと思います。こっちの方が多いですかね。

ちなみにこういうのはアナログタイプのEQがいいですね。ギターなんかはちょっとブーストすると大体すごいいい感じになります^^

これは、純粋に「かっこいい音」「狙った音」にするためにやる処理。EQだけでなく、コンプとかサチュレーターとかいろいろ駆使して、そもそも狙っている音に近づけていきます。

この作業で重要なのは「ミックスのための処理」を混ぜないことだと思います。

以前の私はこの辺がぐちゃぐちゃしてました。例えば、「いらない低域はカットするってみんな言うよな」「どうせ後でカットするしな」という理由で、この音をかっこ良くしてる段階で「なんとなく」ローカットや濁りを取る処理みたいなのも並行してやってました。

この辺は個人のやり方なので、同時にやっちゃダメ、と言うことではないし、もっと上達して手慣れてくると同時にやれるのかもしれません。ただ、自分としては、「なんのために処理するのか」を分けることで、処理に迷いがなくなりました。結果的にトータルのクオリティが上がったと感じてます。

ちなみに、この「かっこいい音にする」のはやらなくてもいい作業でもあります。

録音した音でいいじゃん、となればなんもやる必要ないと思います。

なお、このかっこいい音にする作業は、自分的にはミックスではなくて、まだ制作の段階という認識です。

その2 下処理としてのローカット

制作フェーズでギター入れたり、シンセの音入れていきます。自然にある程度音量調整やパンなんかもいじると思います。その1で書いたようにかっこいい音にするためにプラグインとかもいろいろ試したりしますね。

で、大体できた、となります。ここからがミックスですね。

とはいえ、実際、ミックスしてる途中に楽器追加したり音色変えたい、、、となることもありますね。

ある程度は制作とミックスを行ったり来たりするとおもいます。ただ振り返ると直近では、結構分離してきた感じがします。以前ほどここが混ざらなくなってきた。

さて、ミックスとなった時にまず最初にやるのは、全ての素材の下処理です。

どなたかのYoutubeのミックスの動画であったのですが、料理の下ごしらえにたとえていらっしゃいました。

カレー作るのにも、野菜洗うよね?皮も剥くよね?下茹でするものや、塩ふって馴染ませるとか、まあ具体的な例は忘れましたがこう言う趣旨のことを話していたのです。別にニンジンの皮剥かなくてもカレーにはなるけど、こうした下処理が仕上がりの差になりますよ、と。

なるほど、と納得した。それ以来、全ての音素材に対して下処理を入れるようになりました。

で、下処理って何か?自分の場合、もっとも劇的な効果をうんだ欠くべからざる必須処理はずばり、、、

ローカット!

低域を削る。これに尽きる。

ローカットの絶大なる効果に驚きました。こんなにも仕上がりが変わるのか、、、と。これまでギターをぶ厚く鳴らしたいのになんか音が抜けないとか、キックのアタックが埋もれて聴こえないとか、最終的に音圧をあげるとちょっと不自然や妙にうるさいとか、なんとなく飽和感が強くてすっきりしない、とかそうしたさまざまな問題が一気に解決したまさに魔法の処理。

それがローカット。

いやあもっと前に知っていれば。これぞ奥義なんじゃないかくらいに今は思ってますw

具体的にどのパートでどれくらい低域を削るのか?

まず、ドラムとベースは放っておきます。ローカットしないでいいです。低域を担当する楽器についてはローカットは一旦、不要。

ベースとキックの帯域の被りが、、、というのもあるんですが、とりあえずベースとドラム以外のローカットやるだけで、その問題もそこそこ解消します。

さて、ではどれくらい低域を削るかと言うと、これも昔は加減がまったくわかりませんでした。50hz以下はいらない成分だから切りましょうというようなレシピ的なノウハウもいっぱい情報としてはありますが、そういうのは完全に無視して大丈夫じゃないかと思います。

どこまで低域を削るかと言うと、それは「聴感上、変化がないギリギリまで削る」がよいんじゃないかと。

50hzどころか、200でも300でも400でも、聴いた感じあんまり変わらなければどこまでも削ります。

これは今自分はこうしてると言うことで、いやそれは違うとかだめとかあるかと思います。とりあえず現段階の自分がやってる基準はこれですね。

その上で、多少厚く聴かせたいパートは多少手加減するとかはあるのですが、まずは、聴感上、スカスカで耐えられなくなる限界まで削る、で良いかと思います。

<録音したオリジナル>

録音したままのオリジナル

次にローカット版。

ローカット版

再生環境によってはほとんど違いが分からないかもしれませんが、低い音に注目して聴けば、ローカット版は音が軽いのがわかると思います。オリジナルで低い方で鳴ってるゴーーーーーーーって感じの地鳴りみたいな音というかノイズみたいなものがなくなっています。

これくらいの削り具合になってました。

もう一つ例を。

録音したまま
ローカット版

これなんか上よりも差がわかりにくいんじゃないでしょうか。ただこれはもっとローを削ってます。もともと高い音程のフレーズなのでわかりにくいと思うのですが、案外これでローが出てるのです。

注目して聴くべきは音程のある部分や音色そのものではなく、その下で低くゴォぉぉぉと鳴ってるやつです。ここに違いがあります。

いや、これは削りすぎ!とか足りない!とかいろいろ意見はあると思いますが、要はこの下で鳴ってるゴォォォォォォォォという地鳴り成分を取っておきさえすれば、あとのミックスでの音の分離やまとまり感が良くなります。それはもう劇的に。

やり方としては、EQのハイパスフィルターの周波数をどんどんあげていって、聴感上、明らかに音がスカスカするギリギリ手前までって感じでやってます。

スカスカするギリギリ手前ってどこ?って話ですが、これはもう感覚ですよねえ。この辺で上手い下手が出てくるんだと思いますし、どう聴かせたいかというパートやその時鳴っている他の音によってサジ加減が必要でしょう。

でも、とりあえずそう言うこと考えずに、一旦ギリギリまでローカット。まずはこれでいいんじゃないかと。迷ったら多めに切っていいと思います。

ちなみに、ここで薄くなった低域は、ベースとかドラムとか、低域担当の楽器が勝手に補正してくれます。一緒に鳴ってると決してギターが薄くは感じない。むしろ厚く聞こえる。ここでギターと低域楽器が分離しすぎてるようだとローカットしすぎってことでしょうね。

さて、かっこいいギターの音作るぞ!という段階ではこういうローカットはしない、と言うかできないですよね。だって迫力や厚みが減ってしまうからなんか寂しくなります。

その1で書いた「良い音にする処理」と「ミックスのための処理」を分離する意味がここにあります。

このミックスのためのローカット処理では、もはや音がかっこいいかどうかは無視です。問答無用でギリギリまでローカット。

もっと上級者はさらに深いことを考えてローカットのバランスを調整するのかもしれませんが。。。

とにかく、このように意識的に「かっこいい音にする」と「ミックスのための処理」を分離することで、あきらかに最終的なミックスの質があがったと思っています^^ くどいですが、以前に比べて、、、ですw

その3 バスコンプでまとめる

ローカットほどのインパクトはなかったのですが、地味に効いてると思ってるのがバスコンプ。

・・・と、その前にローカットした各素材に、更なる下処理として軽くコンプかけておくことが多いです。が、これも素材次第か。その判断を自分が適切にできているかどうかはわかりませんが、以前のように「とりあえず」かけておくと言うことはやらなくなった。

さて、その上でのバスコンプですが、左右で鳴ってるギターのバッキング、ストリングス、シンセのシーケンス、のように大まかに一括りにしていきます。

各トラックの出力先をバスにまとめて、、、というのが定番のやり方として解説されていますが、Logicの場合、Track Stackの「サミングスタック」という機能があって、上のような感じにまとめられます。バスに送って、そのバスをアレンジメントウインドウのトラックとして立ち上げて、、、とやるよりこの方が操作が簡単だし、見た目もStringsとあるトラックの下三角ボタンを押せば構成員は折り畳まれて見えなくなるのでスッキリするので便利です。

Logic ProのTrack Stackの概要
Logic Proでは、Track Stackを使って、トラックの整理や操作、トラック数の多いプロジェクトの管理、オーディオサブグループの作成を行うことができます。

ヘルプ見る限り、Outputをバスに送ってるのと同じ処理っぽいので、ますますこっち使う方が便利だと思います。

そしてこのまとめるパート内での音量調整やパンをしてしまいます。この時、他のトラックの音はない方が良いと思います。曲がこの部分だけと思ってバランス取るのが良いかなと。

で、このまとめたサミングスタックにプラグインを挿せるので、ここにコンプを入れるわけです。こうすると、どういうわけか、そのパートにガッツがでる感じがします。

バスコンプについては、よく”Glue”効果といって、音にまとまりを与えるということが書かれています。もちろんそう思うのですが、それよりも個人的にはガッツが出ると言うか、クッと締まる感じをうける。ここは使うコンプによってわりと差が出ます。

好きなのを使えば良いと思いますが、定番だとSSL Gシリーズ系、API2500系、Vari-mu系って感じでしょうかね。

上の記事で書いたPlusarのmuはなんとなくうまくまとまる系で、すごい良かったのですが、試用期間すぎちゃった^^; ついこないだまでセールで6000円くらいだったかと思うと、今16000円出しにくい^^; 次のセールを待つか。

ともかく、バスにまとめてコンプすることで、パートが役割別にまとまること、次に述べる音量調整するトラックが減ってシンプルになること、ダイナミクスが均されて音圧調整の余地が広がるという効果があって、地味にミックス向上に効いてるなと感じてます。

その4 音量バランスは基準楽器+1パートずつ調整する

ミックスで多分最も重要なのは音量バランスだと思うのですが、これをどう調整するか。

これもどなたかのYoutubeで拝見したので動画貼り付けたいのですが、ミックス系動画をみすぎて何をどこで見たのか分からなくなりました^^; 

自分的に消化した内容を端的に言うと、まずドラムかベースを「基準」と定めます。私は今のところベースにすることが多いですが、どっちでもできると思います。

で、基準であるベース+ドラムだけで音量合わせします。他は全てミュートです。

次にベースとギターで合わせます。次はベースとピアノで合わせます。ベースとボーカルで合わせます。

これもその3で書いたバスでまとめる処理が前提になっています。さすがにベースとキック、ベースとスネア、ベースとハット、というようには調整できないです。ドラムセットはドラムセットとしてまとまってるものとベースを合わせる。ストリングスも4本あったら個別にベースと合わせるのではなくて、まずストリングスでまとめるのが良いですよね。

このように基準パートともう一つのパートだけで合わせます。その2つのパートだけで曲になってるイメージでバランスをとっていきます。

この時、基準以外のパート、例えばピアノとギターのバランスとかは一切考えない。ただ、基準パートと対象パートだけに集中する感じです。このパートは主役、これは脇役というところで多少の調整は入ってると思いますが、ともかくそれだけで曲として成立する感じのバランスになるようにします。

すると不思議。

全体を一斉に鳴らしても、合う。80%〜90%完成な感じになっている。

もちろんここから微調整は必要になってきます。ただこの時、全体を鳴らしたままやらない方がよいです。全体を聞いて「ちょっとピアノ大きいな」と思ったら、また基準のベースとピアノだけで調整するのが良いです。

全体聴きながらやると、これまでの経験的には簡単にバランス崩れて収集つかなくなります。これも上級者は問題なくなるのかもしれませんが。

まとめ

まとめると、とにかくローカット。これに尽きる。

自分としては上に書いたことは全部重要だったのですが、1番はなんと言ってもローカット。

ベースとドラム以外をローカットしておけば、逆にベースあるいはドラムはローあげられます。したがって、楽曲全体としては低域が厚いミックスになります。ローカットすることで逆にローが厚くなるという。

前の記事に書きましたが、Twitterの深夜の2時間DTMに参加してると、基本時間がないので、そんな凝ったことできないんですね。

各素材に関してはほぼローカットONLYで、ものによってちょっとだけブーストしてるのもありますが、そんなQとか細いのいじらないで、ざくっと1〜2デシベルあげるとか気休めみたいなことしかしてないです。

バスコンプ時、あるいは2ミックス時に全体にちろっとかけることもありますが、まあハイをちょっと足してきらびやかにするくらいですかね。

それくらいシンプルでも、めっちゃ凝ってあれこれいじくりまわしたものより全然良くなった気がします。もうEQってハイパスとローパスだけでもいいんじゃないかくらいの気分になりますね。極端ですが。

とにかく、ミックスはローカットがキモというかコツだというのが、2021年2月19日現在の私の理解です^^

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