古代への情熱

昨日から風邪ひいて体調が激悪です。

さて、会社はお休みしているのですが、あれこれメールはしなきゃということで作業していて、一段落したところでこれ書いてますw

今日はおとなしくこの本でも読んでるか。。。

シュリーマンの自伝です。何回か読んでるのですが、最近Kindle版を買ったので。

実は、私が生まれ変わったらなりたい職業トップ3のうちのひとつが、これ。考古学者というか遺跡発掘する人。

このシュリーマンという人は本当にすごいですね。

シュリーマンは、幼少時に読んだホメロスの「イリアス」「オデュッセイア」という叙事詩に描かれたトロイが、空想の産物ではなく実在するものだと夢見て、人生の晩年についに自らの事業で成功したお金を費やして、実際に伝説のトロイを発掘した人です。

・・・

日本人に例えると、「桃太郎の話を読んで、鬼ヶ島は本当にあると信じ、私財を投入して発掘した」という感じか。

もっともシュリーマンは病的に嘘つきで、幼少時代にイリアス読んでトロイ発掘を夢見たのは嘘だとか、発掘の中に購入したものや贋作も混ぜたとか、大々的に見せるために、違う場所で発掘したものも「一緒に発見した」と報告したり、ホメロス時代のトロイだけに興味があったので、他の層の遺物を破壊しまくったとか、いろいろ言われてるのも知ってるのですが、あんまり気にならないです。

昔から思うのですが、日本人の集団としての性質として、こういう偉業を成し遂げた目立つ人は、すべからく聖人君子たるべし、という願望が強い気がするんですよね。

で、その願望がありつつも、一方で聖人君子じゃないという証拠を一生懸命探して暴露して、みんなで一斉に叩く、と。

そんなの無茶でしょうw

というわけで、シュリーマンが学者としての誠実さや公平を欠いていた人物だとしても、だから何?って思うところが多い。

それでも、大量の勉強と、自らビジネスを成功させて、その私費を投じてとんでもない苦労の末にトロイを発掘した偉業は変わらない。

ヒッサリクの丘こそがトロイの跡地だという学者はシュリーマン以前にいたのは事実らしいですが、発掘する意思、財力、実行力、忍耐力を持って、成し遂げたのはシュリーマン。

「実は俺もあそこがトロイだってわかってたんだ」とかいまさら言ってもダメですw

ビジネスでもそうですよね。「本当はそれもっと前から考えてたんだよー」とか「ほぼ同じこと考えたけど、xxxとかあってできなかったんだよね」とかいってもダメなのです。そういう現実の中で、やったもの勝ちであることを改めて自分の肝に銘じたいと思います^^

さて、実はトロイの遺跡は9層から成っているそうです。

シュリーマンは、第2層Gをイリアス時代のトロイとし、他のものは容赦なく掘り壊してしまったのですが、これは、紀元前2500年くらいのもっと古いものだったようです。

実はイーリアスの時代とされるものは、紀元前1800年くらいからの第7層だったそうなのですが、これは他ならぬシュリーマン本人によって、大きく削られほぼ何も残ってないそうです。

シュリーマンのこうした乱暴さが嘆かれ批判されるわけです。まあ取り返しのつかない損失ですから確かに残念ではある。この世界から完全に失われた秘密。

まあだから、シュリーマンの性格はともかく、

「もっとちゃんとやってほしかった…orz」というのが考古学者たちみんなが思ってることなんでしょうねwww

トロイの木馬。
当時もこんなんだったのかな・・・?w

ブラッドピット主演の英語「トロイ」を見直そうかな。
あれは映像も良かったし、かっこ良かった。

ヘラ、アテナ、アフロディーテの女神たちが、誰が一番美しいかを競い、トロイの王子パリスが審判するという神話があります。

アフロディーテを選んだパリス王子は、報酬に世界で一番美しい女を得るだろうと約束されます。それがスパルタ王の妻ヘレネー。

ヘレネーを奪ったパリスに怒ったスパルタ王はアガメムノンを総大将に、トロイ攻めを画策する。

映画では、たしか和平成立のパーティーで、ヘレネーを見初めたパリスが夜中奪っていってしまう、、ということだったかな?

ギリシアの英雄アキレウスとトロイの英雄ヘクトールの戦い、トロイの木馬などドラマチックで美しい話ですが、その時代のトロイはたしかに存在していて、トロイ戦争もあった。

神話と歴史の曖昧な境界線の上に、実物として発掘されたトロイの遺跡。このあたりにたまらなくロマンを感じますね^^

自分にとってのトロイはなんだろうか。。。

こと考古学に関してはシュリーマンのトロイは自分にはない。
なので、何かを発掘することはないでしょう、おそらく。

世界史上、最大版図を持った帝王であるチンギス・ハーンやフビライの墓が見つかってないらしいので、それを見つけたら世紀の大発見だという話を聞いたことがありますが、正直、シュリーマンのようにそこにあそこまでの情熱を燃やせるかと問われると、迷いなくNO。 

やっぱりいろいろあってもシュリーマンは偉い。
そう思うわけです^^

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