PRS Custom24 Retroトップとノーマルトップの違い

先日の記事「594見ながら雑感」にいただいたコメントで「レトロトップとノーマルトップは厚みが違うのか」という話がありまして、気になったので比較してみました。

30th DragonがRetro topなので、ノーマルトップのワシノスリと比べてみたいと思います。

Custom24 Retro Topとは

PRSのメインモデルであるCustom24は登場以来、大きく印象は変わらないものの、実はマイナーチェンジをたくさんしています。

2015年は設立30周年ということもあり、アニバーサリーモデルが多数発表されました。その中に、30年前のPRS社の正式な設立前、Paulさんが手作業で製作していた頃(いわゆるPre Factory期)のスペックを復刻させるというコンセプトの30th Anniversary Custom 24というモデルがありました。

そこで採用されていたのが、”pre factory curve top”という仕様です。それがのちに、Retro Topという名称になったようですね。

一言で言うと、トップのカーブがより急なラインを描いてます。しかしよく見ると細かいところがいろいろ違います。

Retroとノーマルの形状の違い

まずノーマル版、次にレトロという順番で写真を掲載していきます。

ノーマルトップ
レトロトップ

レトロトップのほうがとんがってるのわかるでしょうか。

ノーマルトップ
レトロトップ

こっちのほうがわかりやすいか。先っぽの形状が結構違いますね。6弦側も違いがあります。

ノーマルトップ
レトロトップ

レトロトップの方がこう山の頂点がくっととんがってますね。

そしてこの写真を見て気づいた人がいるかもしれません。

そう、ボディ厚が違う。メイプルトップ自体はよくわかりませんが、少なくともボディバックについては明確に厚みが違います。

ボディ厚の違い(トップの話じゃなくなるけど)

左がノーマル。右がレトロ

左がノーマルで、右がレトロです。角度的なものはありますが、右のほうがボデイ厚ありますよね。

この辺なんかわかりやすい。明らかに右が厚い。

角度が両方とも真横、、、と言うふうに厳密にできないんですが、右がちょい厚めだよな、と思いますよね。

これは、30th Dragonの特殊仕様なのかなあ、、、と思ったのですが、自分のブログ調べたらこんな記事が。2015年の記事で、よく知らずにPre Factory仕様のギター試奏してるようです。

うん、どうやらボディはマッカーティ厚のようです。

ただ、これをもって「pre factoryのCustom24はボディ厚がマッカーティ厚だ」とは言い切れないと思います。念の為、PRS本とかざっと見ましたが、特にそんな記述ないし、それこそpre factory期なんていろんな仕様のギターがあったでしょうねえ。

ただ少なくとも2015年当時のモデルは、プレファクトリースタイルのレトロトップにマッカーティ厚のCustom24というのが発売されてました、というのは間違いない。

で、このDragon 2015もそのスタイルで製作されていると言うことですね。

ヒールの形状、ジョイント部分が違う

形状ってか大きさが違いますね。

ノーマル
レトロ

これはだいぶ違いますね。Pre Fatctory期から比べてる現代のPRSモデルはネックヒールが大きくなってきているようです。

それからジョイント部分の形状も違いますね。

ノーマル

レトロ

ノーマルの方はネックとコンターのところに平な部分があるのに対して、レトロの方はとんがってると言うか。。。コンターが深いとこまで入ってる結果、ジョイント部分に違いが出るのかも。

この部分だけを握ってみると、レトロの方がコンターが深い分、アクセスは良いとは言えると思いますが、実際この辺のはいフレットを弾くときに、こう言う握りの角度にはならないので、実際面においては変わらないかなあ、、、と言う気はします。

まあ、あえてどっちと言えば、レトロの方が弾きやすい気はちょっとだけしますが、自分的にはよくわからない。ブラインドで渡されてどっちがどっちと言える自信はないですw

アーチの角度が違う

ノーマル
レトロ

なんとなくわかりますかね。向こう側に向かってくっと折れ曲がる角度がレトロのほうが急です。

ノーマルのPRSは滑らかに傾斜していくのに対して、レトロトップはよりくっと折れ曲がってます。

おわりに

記事のタイトルはレトロトップとノーマルトップの違い、、、にしてるのですが、だんだんCustom24 Retroモデルとノーマルの違い、みたいになってきちゃいました。

そう言うモデル比較でいえば、Retroではコイルタップではなくて、スイートスイッチですね。微妙に丸っこい音になるという、いまいちまだ使い方がわかってない機能が古いPRSのモデルにはありますね。あれがついています。

見た目に話を戻すと、

レトロはダイナミックな形状がかっこいいです。

しかし塗装とか、見方によっては、ちょっとメタル用ギターっぽいとも言える。パッとみると、レトロかっこいいなあ!と思います。思うのですが、そのかっこいいところに注目し続けた後で、ノーマルをみると、ノーマルはすごい洗練されてるな、、、と感じるのです。そしてレトロを見るとちょっと子供っぽいような気がしなくもない。

やっぱりブラッシュアップされているということで、そういう工夫の歴史は伊達じゃないな、と思います。

もし自由にオーダーしていいと言われた場合に、レトロトップを選ぶかと言うと、悩む。五分五分ですね。もう色とかコンセプトとか、最後はその時の気分ですね。

ボディがマッカーティ厚のCustom24というのは、最近はどうか知りませんが、以前はちょいちょい見かける仕様でもありますね。

だからレトロトップ=マッカーティ厚というわけでは多分ない、、とは思います。

話変わりますが、このようにレトロとノーマルでは形状も結構違っている上に、ボディ厚まで違うわけで、同じCustom24といっても音色に対する影響もなんかしらあるでしょうねえ。

そういうCustom24 Retroスペックであるこのドラゴン2015の音色はどうかというと、これがまた、手持ちギター中ベストと言えます。

Joe Perryレスポールが1番好きと言いたいのですが、音色の方向性も違うため、ジョイントNo.1としたい。

非常にブライトで音の立ち上がりが速い。ハリ、ツヤ、明瞭感が素晴らしい。音色に関しては35th Dragonよりも全然こっちの方が好きです。

さすがDragon、、、ではあるのですが、Retro仕様がいくぶん寄与してる・・・かもしれないですね^^

コメント

  1. PRS大好き より:

    こちらにて失礼します。

    詳細解説頂き、恐縮です。
    興味深く拝見させて頂きました。

    そうなんですね、こう言う差が有ったのですね。
    某他ブログで見たのですが、どうもイマイチ理解出来ませんでした。
    ホーンの処理はレトノの方がカッコ良いと思います。
    そして、トップも良いと思いますが、ここは現行品と甲乙つけ難し、とさせて頂きます。
    にしても非常に羨ましいです。

    家の594はエボニーバインディングのエッジが非常に鋭利な仕上げで、木材を良く此処まで仕上げるな!と驚きと共に喜んでいました。
    でも、見慣れて来ると此処までやる必要が有るのか?と言う思いが湧いて来ました。
    そして、長時間抱えているとエッジに当たる腕が痛くなって来ます。
    それほど立っています。
    抉りもきつくて、バックのマホガニーに到達するのでは?と言うところまで削り込んで有ります。
    非常に硬いエボニーで巻いたので、折角だから極限まで攻めて見ようかな?と言うノリな感じです。
    ちょっと子供っぽい処理を感じます。
    でも、見ている分にはカッコ良いです(汗)

    PRSは色々な仕様が有りますし、綺麗(好み)なトップに遭遇すると欲しくなります。
    ついつい数が増えて困ります。

    新マッカーティーは未所有仕様なので買ってしまいました。
    プライベートストックはとても危険です=故にプライベート?です。

    • nico nico より:

      エボニーバインディングみてみたいです! 鋭角な処理もかっこよさそうですねー。
      PRSはほんとにいろいろな方法でくすぐってきますよね。

  2. PRS大好き より:

    エボニーバインディング自体は良く見ないとプラスティックの黒バインディングと判別が出来ません。ネック&ヘッドも同仕様です。
    態々こんなに硬い木で巻く必要が有ったのかが疑問になる、ちょっと残念な仕事です。
    エッジの仕上げに差異がある程度の物です。