このブログを始めたちょっと前くらいから、第二次ギター時代が始まってるわけですが、その当時は、ギターの個体差というのはよくわかりませんでした。
(今もそうですが)ほぼ見た目で判断してる私。。。
しかし、コメント頂いたりスタジオご一緒させていただけるギタ友さんなどが少しずつ増えていく中で、いろんなギターを弾く機会が劇的にこの3年で増えました。
そこで、なんとなく同じギターでも個体差ってあるよな、ということが実体験としてわかってきました。
昔は、レスポールはレスポールであり、PUの違いとかはあれども、全部同じ音がするものだ、と普通に思ってました。
アコギは、、、感覚的に個体差がありそうな気がしていましたが、エレキギターって、個体差があるなど考えたこともなかったのですw
ましてや、エフェクターなんて電子機器だし、個体差の存在など想像すらしていませんでした。
よく、初期モノにプレミアがついたりするし、初期モノと量産期のものでは音が違うと言われますが、まさかペダルでそんな、と思っていました。
しかし、ある時スタジオにご一緒させていただいた際に、ZEN DRIVEの初期モノ2つ(だったかな)を弾き比べた時に、明らかに片方の個体の方が良いと感じたことがありました。
また、かのペダル界の至宝、ケンタウロス様を複数台弾く機会があった際に、個体差がかなり大きいことに気づいたことあります。
・・・電子機器なのに、このばらつきはどうなのか。
違いがあるのはわかりましたが、なんか釈然としない気持ちでおりました。
しかし、ここ数回書いてるみたいに、自分で電子回路の勉強をほんのさわりだけかじってみて、一定の納得感を得ました。
理屈は置いておきますが、これがローパスフィルタの回路。
要はハイを減らす回路です。
Rというのが抵抗器。
Cというのがコンデンサ(キャパシタ)。
で、これだったら100オームの抵抗器を買ってつける。
1μF (μファラッド)のコンデンサ(キャパシタ)を買ってつければ良い。
で、100オームの抵抗器といってもいろんなのがあるわけです。
コンデンサもそう。
どの抵抗、どのコンデンサを使うかで音が違う、、、というのもスペックが同じ以上、若干釈然としませんが、物理的な反応速度等で違いが出るというのはまだわかる。
じゃあ、同じ部品で組んでたらどうなるか。
同じでしょ、それは、となるわけです。
ところが!
厄介なのは、こうしたアナログ部品って、誤差が存在するようです。
プラス・マイナス5%とか普通。部品の通販サイト見てると、「許容誤差+ー5%」とか普通に書いてる。
でも、、、マイナス5%の誤差を持つ部品と、プラス5%の誤差を持つ部品で、計10%もスペックが違うことになる。(それともこれって+に2.5%、-に2.5%という意味でしょうか?)
こうなると上のような単純なローパスフィルタ一つ作っても、抵抗部分で最大誤差10%、コンデンサ部分で最大誤差10%がでることになり、それはもう個体差出るでしょう、って感じです。
個体によって、「ハイがきらびやか」なヤツとそうでないのが出るのは必然な気がしてきた。
じゃあ、どれくらい違うのか。
この本を1ヶ月半か2ヶ月くらい前からちまちま読んでるのですが、自力で計算は難しいし面倒。
どっかにツールがあるはず。とおもったらあった。
これで計算してみます。
R=100オーム
C=1μF (μファラッド)
が設計上の指定だとする。
で、2台組んでみた時にこのようなことが起こりうる。
1台目
R=95オーム (ー5%の誤差)
C=0.95μF (ー5%の誤差)
2台目
R=105オーム (+5%の誤差)
C=1.05μF (+5%の誤差)
これで、ローパスフィルタがどれくらい影響を受けるか。
このサイトの計算によるとこうなる。
1台目。
カットオフ周波数:1763Hz
2台目。
カットオフ周波数 : 1443Hz
正直グラフは小さいのでよくわかりませんが、計算式で出てくる周波数の違いは、、、結構衝撃的。
1763Hzと1443Hzだと、だいぶ違うんじゃないのか、、、これ。
というか、もはや別物。
コンデンサとかって、部品の通販サイト見てると、1000個入りとか普通にあるんですが、プラスマイナス5%誤差があるんですよね?
こんな単純な回路一つ組んでもこんだけ誤差がでるというのは、、、どうなんだろうか。
当然、ペダルともなれば、回路はもっともっと複雑。
例えば、ネットで「ランドグラフ 回路図」とか検索するとこんなのが出てくる。
これらすべての部品のひとつひとつに5%の誤差があったとすると、個体差なんてあって当然なのではないか、という気がしてきた。むしろない方が驚異的だ。だって、パーツいっぱいあって誤差は積み重なるので。。。
となると、、、量産メーカーとしては、誤差を抑える、というのは品質管理、ブランド管理上かなり重要なはず。
こうなると1000個入りの抵抗器とか買っても、自分で一つずつ値を計測して設計上破綻しないような部品のみをより分ける、という作業が必要なんじゃないか、、、と思うわけです。
それが嫌だったら、許容誤差の少ないグレードの高い部品を買うか。
それにコンデンサやオペアンプは内部動作の関係で、音は変わるようだ(試してないのでわからない)。
まあ、変わるでしょう。同一のオペアンプでも結果にはばらつきが、、、まあ、この分だとあるでしょうね。
これは大変。
クオリティを揃えるためには、パーツの一つ一つの許容誤差を定めて、吟味しなければならない。
・・・まあ、これは量産するメーカーの悩みですね。
個人で一個か二個つくるなら、はっきりいってどうでも良いと言える。作った実物がいいか悪いかだけです。ただ、それをコピーしようとするとこの問題が出てくる。
その意味では、本当に実機をクローンしようと思ったら、こうした定数や部品は正確に揃えなければ違うものになってしまうだろう。さっきの単純なローパスフィルタだけでも違うフィルタになってしまうのだから。
しかしこうなると、ギターの電装系はいじったことがないのですが、コンデンサとか変えたらそりゃあもう当然音変わりますわな。。。
ギターの電装系においては、配線材やハンダは抵抗になる。そしてコンデンサがある。ギターの電装系はまったく知らないのですが、多分ローパスフィルタを構成していると思われる、、、ので、配線材(抵抗)とキャパシタの組み合わせでフィルタ特性が変わり、出音は影響を受けるのは必然。
ギターの電装系において、こうしたパーツの定数変化の弾力性、、、みたいながどれくらいあるのかは知りませんが、影響を受けるのだけは間違いない。
納得した。
納得はした・・・が正しい理解なのかな、、これ??
だれか優しい電気な人、教えてくださいませ^^
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