いやーーーーーー。。。。RIZIN28すごい大会でした。
前半は渋い技術戦が続きましたが、後半にかけて超弩級の試合が続きました。面白かった。悲喜こもごもで複雑ですが面白かった。
圧倒的に濃い大会でしたが、その中でも濃厚だったメイン2試合のレビュー、、というかただの感想ですねw 書いていきたいと思います。
朝倉未来 vs. クレベル・コイケ戦
試合展開
まず、戦前の私の個人的な予想は、朝倉未来が打撃で距離をとりながら、グラウンドはなんとかディンフェンスして判定勝ち、と見ていました。
さて、どうなるか。。。試合開始です。
プレッシャーをかける未来選手。
ローキックはもらっているが、そこまで強く蹴られてないので平気そう。未来の強いプレッシャーにクレベルが蹴りで距離を取る。が、打撃の攻防を見ると未来選手がやはり有利か。

そうそうにテイクダウンされるもしっかり対応して立つ未来選手。粘り強く足に絡みつくクレベル。
立ち上がって近い距離!一瞬の交錯ののち、朝倉選手がコンパクトに撃ち抜く!クレベルの腰が落ちる。追撃して最後ミドルのキックまで入りました。
これは効いた!ただ、明らかに効いたけども追わない未来選手。ここは少し物足りなかったけど、追撃は危険だと感じたのでしょう。この日の試合で言うと、石渡選手はこういうシーンで果敢に追撃したものの、井上選手のコンパクトで素晴らしいカウンターを喰らってしまいました。
とはいえ、あまりにも消極的だったとも言えるわけで、この判断の是非はあります。実際、勝負の分かれ目だったとも言えますし。
ただ、リアルタイムで見ている時は、朝倉未来選手は徹底して3Rこれを続けるつもりなんだなと思った。要所要所でしっかりダメージを与え、決して深追いせずに3R乗り切る、勝ちに徹するつもりなんだと感じました。
さて、明らかに効いているクレベル選手ですが、みるみる回復しています。この打たれ強さもやばいな。。。
そして再度組みの展開になるも朝倉選手はうまく対処しました。
というわけで、怒涛の1Rが終了。
打撃は未来選手が優位に立ってますが、やはりすこし攻めが足りない印象。一方でクレベルのローキック。ミドルキックのヒット率が結構高いです。
朝倉未来選手のほうがかなり強いプレッシャーをかけているものの、いかんせん手数が少ない印象。その隙間隙間にクレベルのキックを貰いすぎています。せっかくジャブやキックが当たってるので、もっと手数を出したいところ。
2Rに入って、クレベルに疲労の色がやや見えます。ここまでは朝倉未来が僅差でペースをとったと見ました。
2R序盤も朝倉選手がいい圧をかけていますが、やはり手数が少ない。クレベルのキックで下げられてしまいますし、それがわりときちっとヒットしてます。クレベル選手も当たるのがわかってきたので、1R序盤より強く蹴ってきてるようにも見えます。
そうこうするうち、クレベルのローキックから前蹴りで下がらされ、ついにコーナー際に追い込まれます。これは危ない展開です。
と思ったらやはり組みつかれる!それでも朝倉選手、しっかり頭をつけてディフェンスしてます。
比較的早めにそのポジションを解消し、1R後半の寝技展開の時のようにパウンドを打とうとしたのか上体をあげる未来選手。
その刹那!
するするっと足が上がってきて三角絞め!!!
やばい、これは決まった!!ムサエフがやられたのと同じようなタイミング!
応援してたので大変残念ですが、朝倉未来、プロ初の一本負けです。
勝負のポイント
1Rの朝倉選手は良かったと思います。しっかり効かせる打撃をうち、組みもうまく対処しました。
2R開始時点ではクレベルの方が息が上がっていました。あの下からの攻撃は恐ろしいものがありますが、1Rのように対処しつつ、打撃で距離を突き放すような戦い方をすれば朝倉未来の判定勝ちの筋が見えました。
未来選手は強いプレッシャーを相手に与えていましたが、いかんせん手数が少なく、その間、クレベルのキックで戻されるという展開があり、これがよくなかったと個人的には思ってます。
ジャブもキックも有効だったので、もっと手数を出せば優位を取れたのではないかと思います。
最後の三角絞めのところは、しっかり頭をつけてディフェンスしていて、組みつかれた当初は嫌な感じでしたが、あ、わりと大丈夫かな、と思ったのです。そして、すっと上体をあげたところでパウンド・・・かと思ったらそれより速く三角絞めが入ってきました。
解説の藤井さんによると、あそこまで押し込んでたら普通足は上がってこない、とコメントされていました。その辺のプロフェッショナルな技術論は私には分かりませんが、未来選手の試合後のインタビューも踏まえると、あそこは予想外の展開だったのでしょう。
あとは、論点としては、打撃を効かせた時にやはりもっと追撃すべきだったのでは、ということですね。
しかし朝倉選手は、あの感じを3Rやるつもりだったんだと思います。仕留めようと深く踏み込んだところに組みつかれると一瞬で極められる恐ろしさがあります。それに石渡選手もチャンスと思って突っ込んだところをカウンターでKOされてしまいました。
だからあそこで行かないのが悪い、、、とは言い切れないものがあります。個人的には、もう少し追撃をすべきだったと思いますが、これはもう結果論。その場で戦っている朝倉選手の判断です。
個人的には追撃しなかったことよりも、手数が少なかったのが敗因だと思ってます。パワーのある打撃を見せていて、それを受けると嫌そうにしていたし、結構時間も稼げていたので、朝倉選手にもっと手数があればペースを手放さずに済んだのではと感じました。
でもそれをさせない、できなくするのが強さなんですよね。
未来選手は負けてしまいましたが、グラウンドの技術も高いものを見せてくれました。クレベル選手の極めの力が圧倒的で、トータルの地力に勝ったクレベル選手が勝ちました。
印象としてはクレベル選手の地力が優っていると思いましたが、それでも、実力としてはお互いがお互いに勝つ力を持っていると思ったし、展開としてもどっちにも転びえた競った試合だったと思います。朝倉未来選手の勝ちもあり得たと思いますね。
でも格闘技は「この1戦」が大事なんですよね。。。テニスとかだったらこれから先、何回も試合すると思うのですが。格闘技は、「勝ったやつが強い」と言われるのはその辺でしょうね。その1回をクレベル選手が持っていった。クレベル選手は文句なく強いです。
正直、ストライキングは未来選手がもっとはっきりと優位を取ると思っていました。そこが予想外でしたね^^;
今回の敗戦を受けて朝倉選手本人は引退も含めて考える、、とのことですが、まだ30歳手前ですから、少なくともあと2〜3年は頑張ってくれたら嬉しいなあと思っています。
トフィック・ムサエフ vs. ホベルト・サトシ・ソウザ
朝倉・クレベル戦とならんでメインであるムサエフ・サトシ戦。
ムサエフがKOか?サトシが極めるか?大注目の一線です。
ちなみに、戦前の私の予想はサトシの一本勝ち。しかしかなり苦戦する展開を予想していました。その中で、ムサエフの打撃をもらうはずで、その打撃に耐えられるかどうかが注目と思っていました。
試合展開
さて、リングインしたサトシの表情がすごいいいですね!オープニング入場の時はちょっと緊張で硬くなってるように見えました。
ムサエフはなんとなく少し細く見えました。
さて、試合開始!サトシが落ち着いて打撃の距離を測っています。

少し距離が詰まって、ややムサエフの攻めが効いてサトシがすこしうわついた感じがした、、、と思ったらタックル!
少々強引ですが、パンチを振りながらのタックルをトライします。これはムサエフもパッと反応しました。これは切られるな、、、と思ったところ、サトシはヒザを狙っていきました。
うーん、これはなかなか怖いヒザですね。元気な時は食らわないと思いますが、疲れてくると入っちゃうかもしれません。
その後、再びスタンド。さて、ムサエフの打撃をどうかいくぐるか・・・?
と思ったらあっという間にまたタックルへ。一回切られるも、再度片足を掴む!これは結構強引に見え、タイミング悪いと齊藤・摩嶋戦みたいになりかねないところでしたが、手繰り寄せるように絡みつきます。
ムサエフが跳ね返そうともがくも相手の動きに対応しながら絡みつくサトシ!組みついて身体を乗せてしまいます。これはムサエフ、テイクダウンされる!
テイクダウンされましたが、ムサエフはしっかり頭をつけており、この時点では危険はなさそうでした。

そこからムサエフが寝技から逃れるべく身体をずらします。サトシも腰を後ろに引いていく。しかしムサエフは絡みつきを解いて上体をあげていきます。あ、これはパウンドがいく・・・か・・・?
・・・・!!!!!
電光石火でサトシの足が絡みつく!あっという間に三角絞めです!すげえ!!!!
このタイミングの三角は、クレベルが朝倉未来に仕掛けたのと同じようなタイミングに見えました。(柔術経験ないので的外れだったらすいません)

右手が残ってるのでなんとかもがくムサエフ。しかしサトシは空いた右腕も決めようとしてきます。たまらずムサエフは右手を抜き、ボディを打ちますが、これは力が入らないでしょう。サトシが身体を反転させてさらに深く締め上げます。
これは決まった・・・!やばい!!
最後はレフェリーが止めたのか、ムサエフがタップしたのか分かりませんでした。初見の印象では、ムサエフがまだ余裕ありそうに見えたので、ちょっとレフェリーはやまった・・・?とも思ったのですが、もう逃げられない感じではありましたね。
サトシの電撃的な勝利。恐るべき強さです!
あのムサエフが何もできませんでした。打撃をこんな風に封じてしまうとは・・・
サトシの今後
サトシ勝利を予想してましたが、こんなに完封してしまうとはおもわなかった。恐るべき強さです。
ただ、タックルの入りがちょっと雑と言うか、怖いなとは思いました。速さはあるけど、ギリギリ感はあった気がします。
サトシがああいうふうにタックルしてくる、という前提にたてば、タックルの入りに膝やパンチを狙うと言う対策はある気がします。
しかしムサエフほどの打撃の圧力に対抗できたことから、一段とレベルアップするでしょうね。そもそも普通に打撃の練習の中でスキルはどんどん磨かれていくと思うし。
今回はムサエフの打撃を警戒するからこそ、少々強引にでもいきなり距離を詰めるほかなかったということかもしれません。
似たような構図として、朝倉海vs.渡部でも、渡部選手が執拗にタックルだけを狙いに行きましたね。かなり意表をつかれたので、どちらも今回は奏功したと思いますが、サトシ選手は次戦からは相当この入り方は警戒されると思います。
しかし、、、
めちゃくちゃな強さでしたねえ。
これはUFCトップファイターとの試合がみたいですよ、正直。
生活の基盤が日本にあるのでUFC移籍は考えにくそうですが、UFCでの戦いが見たくなります。
それこそマクレガーやジャスティン・ゲイジーといった強力なストライカー相手にも必殺のBONSAI柔術が炸裂するか。ぜひ試合を見たくなります。
個人的には、ハビブ・ヌルマゴメドフが引退撤回して、、、なんて妄想しちゃいますね。あの無敗の怪物すら、サトシだったら極めちゃうんじゃないの?!なんて考えちゃいますね。まあ流石にこれは実現しないと思うし、現時点ではさすがにハビブには勝てないか・・・でもひょっとして?と期待させるくらいの強さはあると思います。
しかしサトシの今後、、、でももう日本に敵なんていない気がする。
柔術最強サイクルが巡ってきた?
RIZINを代表するトップ・ストライカーと言える朝倉未来とトフィック・ムサエフが共に柔術の前に破れ去ってしまいました。。。
ここのところのMMAは、全体としてテイクダウンディフェンスのスキルを含めて寝技対策が徹底されたことで、ストライキング優勢な印象がありました。
もちろん寝技フィニッシュも多数ありますが、どの選手もある程度オールマイティにやれる前提で、ストライキングが強いのが上位に多い印象でした。
しかし、今回のRIZIN28でBONSAI柔術のサトシとクレベルが、これまでとはまったく次元の違う高い寝技スキルを見せつけたことで、トレンドが変わる・・・のでしょうか?
なんというか、二人とも技が速い。この展開の速さは打撃と変わらない緊張感ですね。
さて、クレベルは次戦、齊藤裕とのタイトルマッチですよね。齊藤選手の試合の感想は別途書くとして、今回、齊藤選手は引き出しの広さというか対応力というのを見せたと感じています。朝倉未来戦の映像も重要な研究材料になるでしょう。
クレベルの強さは恐ろしいものですが、とはいえ、立技に付けいる隙はあると思いました。朝倉未来の攻撃は明らかに効いてましたし、未来選手がもう少し手数出してたら・・・ブツブツw
突き放すというよりは、やはりKOするくらいの勢いでもって削っていかないと、クレベルを封じることはできないということでしょう。
果たして誰がクレベルを倒せるのか?
そしてサトシ、、、はそもそも対戦相手いるのかな?w ベラトールのライト級ですらサトシに勝てる選手いるか・・・?と思っちゃいます。パトリシオはすごい強さですが、フェザーならともかくライトではサトシが勝つんじゃないか・・・? と感じてしまいました。まあでもパトリシオもむちゃくちゃに強いからな。
フェザーならパトリシオが勝つと思いますが、ライトだとどうなんだろう、と思っちゃいました。
あ、そうだ。A.Jマッキーが階級あげて、、、とかも超絶ワクワクしますね。
UFCならそれこそゲイジー、マクレガー、ポーリエ、マイケル・チャンドラー、オリベイラなどなどいったいどっちが勝つんだ?!と悩ましい相手がいっぱいいますね。
なんにせよこの才能が浪費されないことを祈る。サトシ選手にその気さえあればUFCに行って欲しいなあ。まあ、今のところその気はなさそうだけど、UFCはファイトマネー出せるからなー。
その他の試合の感想はこちらに書きました!
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