実機も含めたいろんなコンプを同セッティングで比べる【ドラム編】

少し前に書きましたが、まあ、API500モジュールのShadow Hills Dual Vandergraphというステレオコンプが良いです。

そうなると他のとどう違うかというのを比べたくなるので、2〜3日前に打ち込みのドラムにいろんなコンプをかけて比べてみる遊びをしました。

前回記事で、オーディオファイルを直接貼っつけるという技を覚えたので、せっかくなので貼って見たいとおもいます。動画にするよりはるかに楽。

比較音源の前提

各コンプは次のようにセッティングを合わせています。

  • レシオは4:1
  • アタックタイムは10msec
  • リリースは500msec
  • ゲインリダクションは最大で5dbまでにスレッショルドを設定
  • 音量はピークで-4.2に合わせた

とはいえ、各コンプのコントロールは独自であり、確実にぴったり合わせられたわけでもないです。また、ピークを合わせたことにより、全体的な音量は多少差があります。

ただまあ、同一レシオでリダクション量も合わせてるので、ここで出てくる音圧の差は、コンプの各機の個性と捉えていいんじゃないか、、、ということでこのようにしました。

ヘッドフォンあるいはモニターでもそれなりに音量出しておかないとあんまり違いが出ないかなと思います。聴く際は低音の出方、パンチ、それとスネアの質感に違いが出てるかなあと個人的には感じています。

では聴いて見てください!

オリジナルソース(BFD3のキットで全エフェクト外した)

iZotope Neutron3

API2500 (UAD2)

1176 AE (UAD2)

Rupert Neve Portico 543 (実機 API500)

elysia mpressor (Plugin Alliance)

Shadow Hills Mastering Compressor(UAD2)

Shadow Hills Dual Vandergraph (実機 API500)

感想と各機材のセッティング

自分の場合、iPhoneのスピーカーやPCでも小さい音量だと全然違いわからないですw

ヘッドフォンやある程度大きな音量でモニターしないと全く違いがわかりません。。。という程度の違いではありますが、そんな中でも差が大きい機種があったんじゃないかと思います。

自分の好みを言うと、

1位 Dual Vandergraph! 2位 mpressor!この2つはこのソース、この設定において個性が出たように思います。

この2機種以外は、このソース、このセッティングにおいては有意の差を自分は感じませんでした。

Shadow Hills Dual Vandergraph

もう見た目からいい感じですよね。角度的に上手く写真撮れないのですが。。。

今回のコンプの設定はこのDual Vandergraphに合わせています。写真の通りのセッティングなのですが、レシオとアタック・リリースはプリセットになっています。このレシオ4:1のとき、アタックが10msecでリリースが500msecというのは固定で動かせません。他のレシオはまた違う値になります。

このコンプの良さは、通しておけばとりあえずカッコ良くなる、と言うこと。

具体的には重心がぐっと落ちて、音の彫りが深くなり立体的になってガッツが出る印象です。

キックの低音を比べて欲しいのですが、他のコンプよりもグッと引き締まって量感豊かな印象です。パンチも強く、迫力がグッと増すと思いました。

elysia mpressor (Plugin Alliance)

今回次に印象良かったのがPlugin Allianceのmpressor。

Dual Vandergrphに次いで低音豊かで音圧高い結果になりました。

GRメーターに5dbがないので大体なんですが、一度も6dbは点灯していませんし、なんなら一番リダクション少ないかもしれません。

しかし音圧高めな感じです。ちなみにつまみをクリックすると正確な値が出まして、アタック10msecのリリース500msecでDual Vandergraphと一致してます。まあ、Dual Vandergraphは実機なんでそんなにぴったり正確なのかというのはやや疑わしいと思ってますが。。。

いやー、しかしなんというか、これセールで買ったんだと思いますが、あんまり使ってません。。。なんかいろんなスイッチがあって難しいそうだな、、、と思って敬遠してたのですが、今回いじってみて今更なんですが、これ、良いですね。

今回はオーソドックスにセッティングしてますが、EQもついてるし、リダクションのリミットかけられるのかな、けっこう過激な音変化もする感じでいじりがいがありそうです。

・・・なんですが、結局なかなかやらないんだよなあ。。。Dual Vandergraphなんかスレッショルド下げてメイクアップゲインあげて終わり。超絶操作は簡単なのに、簡単にカッコよくなるのがわかってるので、そうなるとこういう複雑なやつは面倒な気分になるのは否めない。

iZotope Neutron3 Comperssor

さて、ここからは順位つくほどの差は自分は感じなかったのですが、あえていうと、Neutron3 のコンプは多少個性を感じた。

スネアの響きが他のと比べてちょっと違うかなあ、、、と。重心下がる?ミドルが厚い?ハイが落ちる?よくわかりませんが、ちょっと他と違うような。。。

しかしNeutron3 のデジタルコンプなんてすごいフラットにかかるのかと思ってたので意外です。気のせいですかねえ??気のせいかもしれませんw

繰り返し聴いてると、もうわけがわからなくなりますねw ぱっと聴いた瞬間におもった感想が正しいのかも。だとすると、上のような感想だったと言うことです。

もちろんそこで聴き落としてる要素もたくさんあると思いますが、よーし、緻密に比較だ!なんておもって何回も聴いてると、もうなんの差も感じなくなってきますねww

話を戻すと、このNuetron3コンプのGUIがめっちゃわかりやすいので、多分これは今後も使う気がします。かなり多機能ですが、GUI見やすいのでmpressorよりいじろうと言う気分にはなりやすいです。

Rupert Neve Portico 543

API500モジュールです。アタックは合わせましたが、リリースは目分量なのでそんなに正確じゃないと思われます。

これはまあ、なんでしょう。あんまこれといって言うことがない、、、このソースのこのセッティングにおいては、以後、機種ごとの差というのは自分的にはあんまりない。。。聴く人が聴けばあるかもしれませんが、まあどれでもいいかな、と。

ただ、ソースが変わったりセッティングが変わればその限りではないですね。あくまで今回はこの543以後は自分としては有意の差はなかった。

この543について言えば、多分、個性はあんまりないんだと思いますが、なにしろ実機はどういうわけか、エフェクトの効果が捉えやすい。これのおかげでプラグインのコンプも使い方の理解が進んだと思っています。

あとセッティングによっていろんな感じになるので、個性と言う点では面白みをそれほど感じないのですが、用途が広く優秀な機種だなあという印象。

1176 AE (UAD2プラグイン)

どうやら1176はAEだけが最遅アタックで10msecらしいのでやって見ました。リリースは全然数値わからないのですが、GRメータの針の動き方的にこれくらいかなあ、、、くらいです。

これもガッツが出る感じがしますね。

API2500(UAD2プラグイン)

今まで使っていた感じで言うと、音が明るく元気になるイメージなのですが、今回においてはもっとも元気がない感じの印象かなあ。

どのコンプもそうですが、ある程度参考程度にパラメータの数字は見るものの、そこから耳で聴いていい感じになるところを探すことになりますね。今回のソースにおいては、API2500のスイートスポットではなかったということですね^^

Shadow Hills Mastering Compressor(UAD2プラグイン)

OptとDiscreteの二段コンプですが、今回Optは切って、Discrete部分のみ使用しています。

これはほんとに見た目が最高ですね。。。実機は神田の宮地楽器でみたことあるのですが、すごい迫力でしたw

Dual Vandergraph同様、重心が下がる感じがあります。

まとめ

うーん、やはり実機のShadow Hills Dual Vandergraphが好きですね。

連続して聴いてると最後、全部同じに聴こえてきちゃうのですが、しばらく休んで改めて聴き直すと、Dual Vandergraphの迫力が飛び抜けてカッコよく聴こえます。

今回やってませんが、サイドチェインフィルターも強力で、これをONにするとさらに低音の迫力が増します。

どんな音源でもマッチョにして、前に押し出してくる感じは、今のところプラグインでは代替がない気がします。

いや、色々やれば同じ変化をつけることはできるかもしれませんが、何がいいって、 Dual Vandergraphは使い方が簡単!

うーん、やはりこれは買い取るしかないか。。。いつになるかわかりませんがw

あと、アコギとかエレキギターのバスコンプでどうかというのも引き続き遊びがてら試していこうと思います。

このDual Vandergraphくらいの個性があると、実機のアウトボードって面白いなーって思ってしまいます。

個性的なコンプとか、個性的なEQの実機というのに興味ありますねー。

EQならなんといってもMassive Passiveがどんなテクスチャーなのか気になります。プラグインの滑らかな効き方がすごく良いと思うので実機が気になってしょうがないですね。

カスタムショップ製のギターくらいの価格しますが、逆に言えばDTM趣味において良いギターと良いアウトボードってなんの違いがあるんだっけ、、、?とか考え始めてるのがヤバいですねw

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