先日、コリングスのアコギをひさびさに弦交換しまして、ついでに簡単なフィンガーピッキングのフレーズを練習していました。
せっかくなのでこれを録音して、かねてよりやろうと思っていたアウトボードとプラグイン比較の素材にしようかなと思いました。
アコギを録音する
これが録音したまんまのファイルです。
これだと前後に環境ノイズも混じっているのでこれをRX8で取り除き、ノーマライズしたものがこちら。
綺麗に消えてすごい。上の録音だとややわかりにくくて、他の素材のほうがわかりやすいのですが、その辺はまた別の記事に加工と思います。
波形的にはこんな感じです。
実機 vs プラグイン
さて、自分でこんな感じがいいかな?というEQをしてみます。録音した状態のものだとこもって聴こえるので、高域を伸ばして、濁ってるところをカットしたいなと思いました。
というわけで、あれこれいじってるとこんな感じのセッティングになりました。(左右対称なのでツマミ位置みやすいように半分だけ写してます)
Massive Passiveは4つのつまみで結構帯域かぶっています。でもスポットが微妙に違う。これが影響するのかわかりませんが、右側で1K8、あるいは1K2をShellカーブでブーストするより、右から2つ目のつまみで1K5をブーストした方がイメージに違い効果が得られました。
実機のセッティングに合わせてプラグインも下のように合わせる。
さあでは聴き比べてみましょう。
どうでしょう?
私は結構違うと思いますし、この結果は意外でした。
具体的には高音の煌びやかさが違う。実機の方が高音が伸び伸びしてる感じがあります。
プラグインだとその辺が今ひとつ足りない感じがしませんか?実機の方が高音域に余白があるというか奥行きがあるようにも感じます。
また、オリジナルの音源からモワッとした部分を取り除きたくてカットしてるのですが、実機の方がよりスッキリしてる気がします。プラグイン版はもわっとしたところが少し残ってますね。
ちなみにつまみの位置は結構シビアに合わせたつもりですが、まあとはいえ誤差はあるでしょう。
ということで、プラグイン版で高音をもうちょい足してみました。
ブーストが12時やや手前だったのを1時弱くらいまで足してみました。こうすると高音の煌びやかさは似てきますが、実機よりも手前というか下の帯域から持ち上がって高音だけでなく全体のじゃりじゃり感も高まる印象です。エキサイターかけたような感じに聞こえます。
このざらついた感の好き嫌いは別として、今回の音源の場合、自分はこれだとブーストしすぎと思って少し下げちゃうと思うんですね。やはり実機の方がナチュラルに伸びる、そんな印象があります。
下に貼ってある動画では、この3つの音源を再生しながら切り替えているので、これだと音色の変化がわかりやすいかと思います。プラグインは実機よりもすこし重心が低いというかややこもった感じがします。
実機の方が滑らかに感じる
高音の伸びにしても低域を膨らませるにしても、実機の方が滑らかさを感じます。あまり実際的ではないと思いますが、ブーストすればするほど、プラグイン版は音がざらつくというかトゲトゲしてくるのですが、実機はどこまで行っても滑らかな質感を維持します。
実際、そんなに極端につまみを大きく上げることはないとおもいますが、こうした滑らかさの違いが、上の比較のように、トータルの質感に違いを生むんだと思います。
とまあ比較すると実機の方がいい、、、となりしたが、プラグインもすごく良い。自分くらいのスキルだと実機の必要性などはまるでなく、正直、DAWの備え付けで良いわけですが、そこはもう趣味ですので、必然性とか必要性とかそういう観点は全く存在しません。
やはり実機のつまみをぐりぐりするのは楽しいです。それに前にどっかで書いたのですが、どういうわけかアナログ機材ってプラグインに比べて、操作に対する反応がわかりやすい気がしてならないです。
最終的な結果を並べて聴いてみたら微々たる違いというのはあるかもしれませんが、操作の過程が違うなと思うのと、実機でいじって意味がわかるとプラグインのほうもわかってくる、、、というような教育的効果(?)もあるんじゃないかなあ、と思ってます。特にコンプ。
さて、次はこれにコンプかけてみたいとおもいます。以前バグコンプ比較した際は、わざとノーマライズで揃えた結果を載せていたのですが、海外の方から、ラウドネスが違うとフェアな比較にならない、というまあごもっともな意見をいただいたこともあり、今度は聴感上の音量を揃えてどうか、というのをやってみたいと思ってます。
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