【MainStage3】B’z ZEROのキーボードをライブで弾く方法・セッティング

コロナにより延期になりいつ実現するかわかりませんが、次回ライブで、2曲ほどキーボードを担当します。曲はB’zのZEROと愛のバクダン。

ZEROはキーボードの出番がたくさんありますね^^イントロのあの有名なリフから、Aメロのクラビネット、サビやスキャット/ラップ部分ではトランペットの音が必要です。そして、サビの最後のキメの部分で印象的なオーケストラル・ヒットも欠かせない。

さて、これだけ多彩な音をライブでどのように演奏すれば良いでしょうか。まあいろんなやり方があると思いますが、自分のセッティングについてまとめてみたいと思います。

AppleのMain Stage3を活用する

Mac専用ソフトですが、Main Stage3というソフトがあります。何のためのソフトかと言うと、ずばり、

ライブ演奏・演奏支援するためのソフト

です。

ライブで演奏するための、音源であり、エフェクトであり、アンプシム、サンプラーでもあり、外部音源も含めてそれらを統合して管理・運用するための司令塔でもあります。

要は素晴らしいってことです。これがたったの、3680円。マジでこれは安い。どう考えても安いです。

MainStage
スタジオクオリティの音を、ステージでも。MainStageは、Logic Proの完璧なパートナーになるライブ演奏用アプリです。

ダウンロードはこちらからできます。

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とりあえず弾いてみた動画

自分セッティングで演奏してみるとこのようになります。バンドメンバーのPCを借りようとおもっているので、外部の音源・プラグインエフェクトは使用しません。とはいえ、サンプルなどはファイルをプロジェクトファイル内に含められるので使用しても大丈夫でしょう。

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B’z ZEROでキーボードパートが使用する音色まとめ

上でみてもらった演奏で使用している音色は以下の通りです。ちなみに音色名は自分の命名なのでなんらオフィシャルなものではないです。

  • Ice Piano ・・・ イントロの硬質なピアノ
  • Distorted Clav ・・・ Aメロのクラビネット
  • Synth Brass ・・・ サビのトランペット
  • Orchestral Hit ・・・ サビ最後のキメで使うサウンド
  • Wobble Bass ・・・ ギターソロ後のぶびょ〜〜〜〜んという重低音

イントロのアイス・ピアノの作り方

作り方・・・なんて偉そうに書きましたが、結論から言うと「作れなかった」ですorz

上の動画で確認してもらえるとわかるのですが、原曲の感じとは違いますね。。。この音はZEROのシグネチャーサウンドでもあるので、できるだけ似せたかったのですが。。。

原曲はアコースティックなピアノではなく、シンセ的なピアノ音ですね。KORGのM1という昔のシンセのピアノ音を使っていると言う話をどっかで調べて出てきました。Mainstageの音源でも根気よく探せば似てるのが見つかるかもしれないです。良い作り方があったらぜひ教えていただきたく^^

さて、この音は、付属サンプラーEXS24の「Stainway Grand Piano 2」。これをEQで強引にハイを上げています。

若干近づいたけども、原曲の硬い感じの音にならない。どうしても普通のピアノの感じが抜けないので、入力からコンプでベロシティを押さえていく。

MIDI FXで鍵盤の入力のベロシティ(入力の強弱)を押さえ込みます。ベロシティ固定も試してみました。どう鍵盤を弾いてもベロシティは常に最大と言うふうにすると、硬さ加減は似てくるのでそれでもいいかもしれない。

ここでは、ある程度揃えて、さらにコンプで潰して最終的にリミッターかけるという感じで、とにかくダイナミクスを削除する方向でやっていきました。

・・・とまあ色々やってみましたが、そんなに似てないというorz

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軽く歪んだクラヴィネット

原曲をよく聞くと、クラヴィネットではなく、シンセっぽい感じがします。これは作れそうな音色ではありますが、まあ、、、

まあ、クラヴィネットの音色で良いことにしました。クラビのほうがライブっぽいかなとも思ったし。

もっと原曲に寄せたい方は別途シンセで音を作り込むと良いと思います。シンプルそうなシンセサウンドなので多分そんなに難しくはなさそうです。

とりあえず動画で使った音は、MainStage3のプリセットの「Vintage Clav」ー「Distorted Clav」を選択。これにChromaVerb(リバーブ)をちょっと追加しただけで音色自体は何にもいじってません。

サビのブラス

これもサンプラーEXS24のプリセットにある「Full Brass Stacato」を選び、ちょっとリバーブ足しただけで何もいじってません。

この音はスタッカートで弾いてるので、サビのフレーズでもうちょい音が伸びて欲しいところで切れてしまいます。

本来であれば、もうちょっと伸びるブラス音のほうが良さそうです。ただ、途中のラップ?スキャット?部分のブラスセクションでは、これくらいスタッカートの方がマッチします。

だったら、2つの音色を使い分ければ・・・?ごもっともなんですが、作成当初は、この2つは同じパッチでやってたのでまとめました。ライブで生演奏なので、「なるべく共通化」は大事かな、と。

しかしその後、この2つのパッチは別れたので変えようと思えば変えられるのですが、まあ。。。

オーケストラヒット

サビの最後に鳴る印象的なオケヒット。

これが良いのがなかなかない。。。昔のシンセとかだったら結構入ってたと思うのですが。Mainstage標準音源では良いのが見つけられませんでした。

そこで、自分の使っているキーボード、RolandのFA06を探すと、、、あった。

これを実際に鳴らして、それをLogicに録音します。

前後の余計なところをカットしたらそれをオーディオファイルに書き出す。そしてそのファイルをEXS24に読み込んで使いました。

ギターソロ後の重低音

ギターソロ後にブリブリうなるような重低音が鳴ってますね。これも入れたい。

こういう動きのあるシンセ音は、おそらくAlchemyとかが得意とするだろうとあたりをつけ、ベースのライブラリを探します。

そこにあったClassic Funk Synth Bassというのを弾いてみると、

お。

もうこれでいいw

原曲の音とは違うと思いますが、感じは出てると思いますが、どうでしょうか。

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これらの音色をどのようにライブで制御するか

実際、重要なのはここからですね。

キーボード担当は似た感じのサウンドを作るのは良いとして、これをどうやって生演奏で使い分けたり弾いたりするのか。

要は、どう音色を切り替えるか。単純に切り替えると言っても、弾きながら切り替えるのは難しいフレーズ、難しいタイミングがあります。

さて、私はZEROを弾くのに、4つパッチを作りました。

イントロのピアノ、Aメロのクラヴィネット、サビのブラス、そしてアウトロのピアノです。

順番に解説してみます。

まず、イントロのピアノですね。これは単純。これを選ぶとイントロのピアノの音が全ての鍵盤で鳴るのでただ弾くだけ。

その後Aメロに入るとクラヴィネットが必要なので、次の「Distorted Clav」に切り替えますが、ここでは鍵盤のこのボタンで、パッチを前後に移動できるようにしました。上の方にある動画見てもらえば、なんとなく左手でボタン押してるのがわかるかとおもいます。

この辺は各自がお持ちの鍵盤上で、操作しやすいところを選べば良いと思います。本当はギターのスイッチャーみたいに足元にスイッチがあると一番良さそうですね。やっぱ鍵盤では両手で弾いてることが多いので、手でなんか押して変更するのは割と難しい。

Mainstage3ではこのようにアサインしています。

この2つのボタンは、CCの80と81を送ってるようです。で、上の写真のようにそれぞれ「前のパッチ」「次のパッチ」にアサインしているので、ボタンを押すだけでパッチ切り替えができます。

レイヤー機能で弾く鍵盤で音を変える

Mainstageでは、「レイヤーエディタ」と言う機能があって、鍵盤のどこからどこまではこの音をだし、ここからはあの音、というように弾く場所によって音を変えられます。

黄色がクラヴィネットの音が出る範囲です。右の水色はオケヒット。左の緑はギターサビ後の重低音(Wobble Bass)がでます。

こういう機能は大体のシンセについてると思いますが、多分2音色、おおくて3音色くらいまでなんじゃないかなあ??ちょっとこれは調べてないので違ったら申し訳ありません。

Mainstageなら、この制限はないです。究極的にはマシンパワーさえあれば、鍵盤1音ずつに別の音源をアサインして鳴らすことができると思いますし、下の写真のように画面に表示してくれるのでわかりやすい。

ちなみにここでは分けていますが、重ねることもできます。ピアノとストリングスを重ねるとかは定番ですね。

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さて、ここでクラヴィネットとオケヒットを一緒にしてるのは理由があります。

ZEROのイントロ後、歌が入る直前にオケヒットが入ります。あれは直前までクラビを弾いていますので、音色切り替えとかは間に合いません。

そこで、クラビが使わない鍵盤の高い領域にオケヒットを配置しました。これで右でどっか高い鍵盤を弾けばオケヒットが鳴ります。

オケヒットはFA-06の音を取り込んでサンプラーEXS24で鳴らしています。

上の写真だと見えないので拡大します。

これで、鍵盤を押したら一回だけオーディオファイルを再生します。

「ピッチ」にチェックがついてないので、鍵盤のどこを弾いてもオーディオの元データをそのまま愚直に再生します。

ですので、クラビを弾きながら最後のオケヒットを弾く際は、とにかく「高いところをどっか」弾けば問題ありません。これが、正確にAを弾かなければならない、となるとミスする可能性が増えますね。しかしこうしておけば、音程のミスはあり得ません。

サビのブラスとオケヒット

これも同じような構成です。

サビのブラスとキメのオケヒットはタイミング的に音色切り替えなどでは間に合いません。そこで、同じようにレイヤー機能を使っています。

しかし、サビ後のオケヒットは音程があります。そこで、

今度はEXS24の設定で「ピッチ」にチェックをつけています。これで、鍵盤の音程に合わせてオーディオデータのピッチが修正されます。

このピッチ修正は機械的になされるので、本来のオーディオデータの音程から離れていくと不自然になります。それが面白いという話もありますが、自然にしたい場合は、元の音源のサンプリングをいろんな音程でとっておく必要があります。

今回の場合、音程の移動は少ないので問題無しと思ったのですが、じつはアサインされている鍵盤の音程そのものが高いため、考えていたより1オクターブ高い音になってしまいました。

そこで、MIDI FXのTransposerを活用。

このMIDI FXというのは、Mainstageに入力されるMIDI信号をいろいろ制御するエフェクトです。昔からのLogicユーザーならEnvironmentでやるようなことですが、Logic本体もそこから派生しているこのMainstageもMIDI FXという便利なやつが実装されるようになりました。

さて、ここで、

このように1オクターブ下げました。したがって、鍵盤で高いところ弾いてもその1オクターブ下を弾いてるようにMainstageは取り扱ってくれます。

この辺、EXS24の設定でもできるような気はしますが、EXS24あんまりいじったことないのでよくわかりません。。。

ただ、レイヤー機能使うと、実鍵盤の音程と欲しい音程の違いは出てきますから、この方法が簡単なんじゃないかと思います。

あと、半音下げだけど鍵盤はそのまま弾きたいと言うような場合にも使えますね。キーボード側でももちろんできると思いますが、Mainstageで管理してるほうが楽だし事故が少ない気が個人的にはします。

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ギターソロ後の重低音→ピアノ→ブラスへの変化はどうやる??

ギターソロ後の重低音は、タイミング的にクラヴィネットのパッチに入れています。

その重低音はしばらく続くので余裕があります。それを鳴らしながらパッチを切り替え4番目のPiano & Scat Brassパッチにします。

で、ピアノのフレーズを弾き終わる直後に、ブラスでのリードフレーズ に入ります。

これも音色切り替えは忙しくて演奏が安定しなかったのでレイヤー機能で解決することにしました。

サビからアウトロにどう移行するか?

ZEROでは、最後のサビでオケヒットが鳴った後、すぐにイントロのピアノに戻ります。

ここが難関です。

スピード的に音色切り替えは間に合いません。鍵盤が88鍵盤くらいあればレイヤーでも何とかなると思いますが、私の61鍵だとどうだろう。偶然、ZEROの場合は61鍵盤でもやれなくもない。

レイヤーでやれればスムーズなのでそれでやってしまいましょう。サビのブラスパッチは下の方にIce Pianoを持ってきています。これでOK。

鍵盤が足りずレイヤーでできない場合

フレーズや使用するキーボードによっては、うまく重複せずレイヤーできないケースもままあります。そして音色切り替えもギリギリすぎて間に合わない場合もあるかもしれません。そんな場合に使える手があります。

それは次のフレーズで最初に弾く音を音色切り替えスイッチにする と言う方法です。実はこの記事を書き始めた最初の頃はそれでやってました。

まずサビのブラスのパッチにはボタンを追加し、このボタンを押すと、「次のパッチ」にいくと言う機能をアサインします。

ブラスの次のパッチは、、、そう「Piano & Scat Brass」です。これに切り替えればピアノのリフを弾けます。

しかしタイミング的にボタンなんて押せません。そこで、ピアノのフレーズで弾く最初の鍵盤をこのスイッチにアサインするのです。

アウトロのリフの最初の音は、左手で弾く低いE(ミ)の音です。これを弾けば、その瞬間にパッチがピアノに切り替わる。

これでスムーズに演奏を続けられます。

欠点は、最初のミの音が鳴らないことwww

これはすごいイマイチなんですが、まあライブだしわからんだろう、、、という割り切りですw

その1音よりも大事なことは、フレーズ全体を正しいタイミングで弾くことです。ZEROのピアノリフは曲のシグネチャーフレーズですから、音色切り替えをミスったり、切り替えに手間取ってフレーズ全体がもたるようではダメなので、最初の1音は犠牲にしましたw

(注意)記事中の動画の時点ではこのやり方でやっていました。しかし記事作成中にレイヤーの方が安定するということに気づき、Mainstageを修正しました。その後、動画編集してる時に、演奏に合わせてMainstage3の画面を嵌め込みたくなり、後から再度弾いて動画を取ったのですが、すでに修正後のパッチになってしまっていました、ということで、実際の演奏の音声は以前のパッチ、つまり最初のミが鳴らないバージョン。でも画面ではなるはずのバージョンという矛盾が生じてます。だいぶどうでもいいとは思いますが、一応念のため。

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イントロのピアノリフの省略方法

さて、以前の記事にも書いたのですが、私が配布されたバンド譜面では、ピアノリフがこうなってました。

これは弾けない。

そこで、この和音をそのまま弾くのはやめて、最後の3音は、親指を置きっぱなしで小指と薬指だけの装飾というように変えました。

動画でうまく見えるかどうかわかりませんが、ともかく、ここで大事なのはトップノートの動きだと思います。しかし、和音感がないとショボく聞こえるので一番低い音である親指のGの音も押さえています。

トップ2音を和音で弾くのも試しました。この方が音はリッチですが、難しくなります。現段階ではちょっと怪しい。もう少し練習していったらそれでもいけるかもしれないが、、、どうでしょうね。

クラヴィネットもバンド譜面だと最後細かく動いて難しいのですが、原曲聞いてるとそんなふうに弾いてるようにもあまり聞こえない。そこで、最後の音をベンドで揺らすと、なんとなく「ぽい」のでそのように省略しました。

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