【悲願達成】Ferrari 812 Superfast 納車とファーストインプレッション

35年越しに夢を叶えました。中3の頃から憧れ続けて、いつか大人になったら絶対!!と心に秘めていたフェラーリをついに手に入れることができました。

さあベールを取り去ると、、、

モデルは812 Superfast。

フェラーリの代名詞ともいうべき自然吸気V型12気筒エンジンをフロントミッドシップに搭載したまさにモンスターマシーンといっても過言ではない車でしょう。

フェラーリにもいろんなモデルがありますが、とにかくフェラーリの象徴たるV12に一度は乗ってみたかったのです。感激です。

憧れはテスタロッサから

趣味の多い私ですが、最も古くから続いている「好きなもの」は実は車、それも「フェラーリ」です。中3くらいだったと思うのですが、実家の近くの幹線道路を真っ赤な平べったいスポーツカーがドカーンと走り抜けていったのを見ました。

聞いたことのない、爆音だけどどこか澄んでいるエンジン音、見たこと無いほど低く、流麗な車体。横から見るとなにかスリットが入っていて、後ろ姿も独特でとても未来的なデザイン。ひと目見ただけで只者でははないオーラを放っていました。それが一瞬で目の前を通り過ぎました。

衝撃的でした。

その時はそれがなんの車かわからなかったのです。両親に聞いても、「なんだろうねえ」くらいで終わっていました。

高校に入ってから部活の友達にその話をしたところ、

友達「それ、フェラーリじゃない?」

自分「フェラーリって聞いたことあるなあ。F1のレースだっけ」

友達「そうそう。F1のフェラーリだよ。それの市販車じゃない?」

自分「え。市販車なんてあるの??」

友達「特徴聞くかぎり、テスタロッサじゃないかなあ」

テスタロッサ・・・なんてかっこいい響き。

いろんな横文字の車はあれども、なに「フェラーリ・テスタロッサ」って。かっこよすぎでしょ、名前からして。

その日、部活が終わって近所のコンビニに寄ってクルマ雑誌を立ち読みしました。外車がのってる雑誌の広告を見ると、果たしてありました。私の目の前を一瞬で通り過ぎ、一瞬で心を掴んだ車が広告に載ってました。

テスタロッサ愛や812購入に至るまでの道程についてはめっちゃ語りたいのですが、本題からズレすぎるし長くなるので今回は割愛します。ともかく、ここから「いつかはフェラーリ」が始まったのでした。

それがまさか黄色になるとは想像だにしてませんでした

さてそういうわけで、本当に夢にまで見た、、、という車なので感無量です。実はこれまで2回チャンスはあったのですが、2回ともいろんな理由で断念していますが、3度目の正直!

ですが、色はまさかの黄色。自分でも超意外すぎていまだに信じられない気持ちですが、とにかく、過去のあらゆる妄想の中でも一度も検討すらしたことがない黄色になりましたが、とても気に入ってます。

カラー名は、Giallo Triplo Stratoという塗装色で、パールイエローです。マットな黄色ではないです。

写真で見るとただの黄色なんですが、実車をみると、これが結構陰影がついて812の複雑な造形がよくわかるし、パールの感じが結構良いのです。

内装は、Beige Tradizioneというカラーです。ダッシュボード上部も同じカラーで揃えていますね。内外装ともにカーボンが結構はいっていて、結構な金額のオプションが付いている個体だと思います。

そしてシートは自分が好きなデイトナシート。これもなかなかポイント高いところです。

カーボンのレーシングシートもめちゃくちゃかっこいいのですが、やっぱ硬いし、疲れそうな感じはするんですよね。見た目は猛烈にかっこいいですが。

ロングノーズ・ショートデッキで、非常にマッシブなデザインがかっこいいです。

私は550マラネロから始まっているFRのV12モデルのシルエットがそもそも好きで、特に599はかなり好きでした。2010年前後くらいから車のデザインが角ばっていかつくなってきたように感じていてました。怒り顔というのか、フェラーリだけでなく世の中全体的に男性的な角ばったデザインがトレンドになったように感じています。

812はその流れの中の一つの到達点という感じがしていて、非常にマッシブでダイナミック、フェラーリらしい曲線美ではあるものの、なんというかマッチョというか筋肉的な印象があります。

新型のドーディチ・チリンドリはデザインの方向性がガラッと変わりましたよね。812はそういう意味でも、フェラーリのデザインにおけるある一時代の最終形、という気がしています。

ここ10年くらいで都内ではフェラーリを見かけることは珍しくなくなりましたが、とはいえ、他人様の車をそんなに近寄ってジロジロ見ることもできないわけです。ようやく、遠慮なくじろじろ見てるのですが、なんというか手が込んだ造形です。写真に取りそこねてましたが、フロントまわりもびっくりするくらい手が込んでます。工芸品としてのレベルが極めて高い、、、という風に感じます。

運転してみてどうなのか(初日)

さて、試乗することなく購入した車なので納車日=初運転です。

まず動かしてみて最初の感想。

「でかい!!!こええええええ!!!!」

です。

とにかく前が長い。そして久しぶりの左ハンドルということもあって、右前方の感覚が全然とれない。全幅も1971mmとやはり幅広いですし。

普通の道を走っていても、下手したら右側擦ってしまうんじゃないか、、、という恐怖感がありました。

ETCのゲートに入るのもそうとうおっかなびっくりです。右がどこまであるのか自信が持てない。

左ハンドル自体の経験はかなりある方ですし、過去にはマセラティのグランスポーツ、グラントゥーリズモと2台乗ってきているのですが、全然感覚がちがいます。812は走り出してみるとロングノーズ感がすごい。

車を運転しててこんなに緊張したのは、免許取得以来かもしれません。手にじっとり汗をかいてしまいました。

そんな状態なのでとてもアクセルを踏み込む気になどなれません。

1000〜2500回転程度でもフェラーリの至宝V12エンジンはクオーーーーーンと低く、澄んだ音を奏でています。なんというか音が滑らか。

たいして回転も上げてないのに、滑らかに音程が上がっていく感じは、その先に対する期待感を高めます。

納車後、一旦家に帰ろうと思ったのですが、時間の関係で仕事に直行しないと間に合わない、ということでめちゃくちゃ緊張しながらオフィスに向かいました。オフィス近くの商業施設の駐車場は段差もないし広さもあるし、奥行きもあるので絶対停められるとわかっていましたし。

この日は警察の検問がいたるところにあり、道も混んでいたため、結局、終始とろとろ運転でした。いやでもそれで正直助かりました。とてもスピードを出せる感じではありませんでした。

それでもある程度運転したので少しは慣れた感じはしますが、常に緊張していて、めちゃくちゃ疲れました。

2日目。V12の咆哮にしびれた

さて、2日目。

この日は夕方から出かけてみました。

うん、初日よりはリラックスして乗れている。とはいえ、ちょっとでも道が狭くなって対向車とすれ違うようなシーンではめちゃくちゃ緊張します。。。

ETCゲートくぐるのもまだまだ緊張します。なんとか首都高にのってレインボーブリッジ方面へ行ってみました。

そこでAUTOを解除してマニュアルにし、2速くらいまで落としてエンジンを回してみました。といっても、ベタッと踏む勇気はないので、軽く様子見ながら踏んでいきました。

エンジンの回転が上がるにつれ、どんどん音程があがっていく・・・!4000,5000,6000くらいまで回していくと、まるで管楽器のような、共鳴というのか、とんでもない音を奏でます。

す、、、すげえ!!!!

昔、散々本で読んだフェラーリ・ミュージックというのはこれか、、、とおもいました。

もちろんキャブレター時代とは違うでしょうけども、素晴らしいサウンドです。

その後、もう一回トンネルがあったので、どうしてもやりたくて窓を開けて再度エンジンをまわしてみました。

・・・!

なんという・・・

同乗している友人は車に興味がなかった人ですが、「オーケストラみたいだ」と興奮気味に感想を言ってくれました。私も同感です。猛々しく暴力的なものを感じさせながらも整っている、素晴らしいとしか言いようがないサウンドでした。高揚感がすごい。

これは危ない。

陶酔感と同時に、812は非常に危ない車だと感じました。

これは踏みたくなる。

まだ車に慣れてなくて怖さがあるのでやりたくともできないですが、慣れてきたら絶対にもっと踏みたくなる。

まだ緩やかな加速程度ですが、ガバっと踏めばあの音に加えてすごい加速がある。シフトアップは電光石火でエンジンは滑らかに回り続け、V12はどこまでも甲高く咆哮する。

そして気づいたらとんでもない速度になって事故る・・・という未来をリアルに想像してしまいました。

まじで危ない。車に慣れてきてしまうと、かなり危ない車だと感じました。

これも昔よく読んだインプレッションであった表現ですが、「もっと踏め、もっと踏めと急かされるような」とか「血の匂いがする」というのは大げさではないんだなと思いました。現代のフェラーリにもあります、その感じ。

優れた電子制御がたくさん入っているので誰にでも扱えるようにはなっています。そして普通に運転してれば普通に走るので見た目がど派手な車、でしかありません。

でも一度踏め込めば、全然違う顔が出てきます。まだその本性をむき出しにするところには全然至ってませんが、それを予感させるには十分でした。

やはりドライバーには相応のスキルが求められるし、中でも一番大切なのは「自制心」だと感じました。

ちなみに2速までなら法定速度内でこのサウンドを楽しめますが、引っ張って3速入れてさらに加速、、、というのはサーキットのお楽しみ、ということになるでしょうね。

全体の乗り心地

やはり硬めで、スポーツカーだな、という感じです。サルーン的な快適さはないですが、スポーツカー的快適さは十分ある。個人的には好ましい硬さだけど、冷静にいうならば「悪くない」くらいでしょうかねえ。どうだろう。

ともかく、ガチガチに固くて路面で跳ねてきつい、ということはないです。

ちなみにマグネティックライドで柔らかめ設定にしても、今のところ、自分としてはほとんど違いを感じ取れませんでした。

エンジン音自体は常にクオーーーーーンと低音で鳴り響いているので、静か、、、ではないですね。うるさくて耐え難い、会話ができない、ということはないでしょうが、エンジン音の存在感は決してなくなることはないです。同乗した別の友人曰く「ん〜〜〜と鼻歌歌ってるみたい」とのこと。音色に鼓動感はなく滑らか。

座面は低いのですが、運転視界はとても良いです。マセラティなどでもコーナリングしていく視線の先のAピラーが邪魔でちょっと見通しにくいみたいな感じがあったのですが、812はすごく視界が良くてコーナリングしやすい印象です。

また、ミラーも大きくてとてもみやすいですね。これは他の車以上に見やすいと感じていまして、今まで乗った車の中でベストなサイドミラー視界と言えるような気もする。

後方視界はバックミラーに関しては何も問題なし。振り返って斜め後ろを見るような場合はやはり形状的に良いとはいえませんが、前が長くて前から目を離すのが怖いので、今のところそもそも振り返って見るようなシーンはほぼないので良くわからず。

アイドリング時は、ステアリングにかすかな振動があり、これがなんというか生き物感を感じさせてかっこいい。不快な振動ではないです。

フロントリフターがあるので、今のところ段差でやばい、という感じはないですね。駐車もバックカメラがあるので、映り方と実際にどこまでいくか、というところのキャリブレーションが自分の中で完了すればデフューザーを擦らないちょうどいいところまで行けそうな気がします。

812 は座席後方に結構なスペースがあります。手荷物等は十分置けるし、サイドにも小物入れスペースがあります。ドリンクホルダーは一つだけですね。写真ないですが、トランクも十分に広く、積載性はフェラーリという車に期待していたレベルを大きく超えていて不満なしです。

充電がめんどくさい

驚いたのですが、今時のスポーツカーって、EVでもないのに充電が必要です。

なんでも充電してないで放置すると、速攻でバッテリーが上がってしまうそうです。なんだそれ。。。

駐車場に電源がないわけでもないのですが、共用部のものなので使用は憚られるので、モバイルバッテリーで運用してみることにしました。これについてはまた別記事にしたいと思います。

とにかく面倒ですね。。。どれくらいで上がっちゃうのかわからないので、今のところ毎日モバイルバッテリー充電して繋ぐ、というのをやってるのですが、正直めんどくさいです。多分毎日出なくて1週間に1回か2回程度で大丈夫だとは思うのですが。

”跳ね馬”の特別感

昔はフェラーリだろうが容赦無く日常使いして乗り潰してやるぜくらいの感じだったのですが、実際に乗ってみると、ちょっとそういう感じではなくなりました、正直。

まあ、やはり自分のレベルではリセールを気にしないわけにはいかない、、、というのがあるし、それにやっぱり運用にはめちゃくちゃ気を遣う。

やろうと思えば日常使いもできるでしょうけども、やはりそういう車ではないな、と乗って思いました。他のモデルは分かりませんが、少なくとも812はそういう感じではないです。

ローマとかだとひょっとしたらもう少しカジュアルな使い方ができるのかもしれません。ちなみにマセラティ・グラントゥーリズは完全に容赦無く日常使いしてましたが問題なかったです。

それに対して、812はやはり、自分の体調も整えて、少し洋服もいいものを着て、「お出かけ」や「ドライブ」自体がイベントとなるような感じがしっくりきます。

憧れが強すぎて自分が少し気負いすぎなのかもしれません。

でも実際に自分が自由に使える環境になっても、やっぱりそういう「特別感」がフェラーリにはある。

そもそも日常使っている車を仕方ないので敷地外の駐車場を別途借りて停める羽目になりましたし、そういう特別扱い、お姫様待遇をせざるを得ないというのは、さすがフェラーリ様という他ありません(笑)

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日記
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